最終年度である2023年度は、まず前半にテストベッド上にこれまでに開発した異常検知方式を実装し、様々なテストケースを用いた性能評価およびデータ収集を行なった。当初の予定では前年度までにこれらの性能評価を行う予定であったが、これまで利用していた米国の大学が提供するテストベッドシステムのリプレイスに伴う大規模な仕様変更があり、昨年度までに作成した性能評価に必要なプログラム群のメンテナンスが必要となったため、最終年度の前半にこれらのメンテナンス作業および評価実験を実施し、評価データを収集した。 本研究では、末端のSDNスイッチに接続されたホスト内に転送量情報を収集・レポーティングする機能を持たせることにより、異常を検知できる機器の範囲の拡大を実現した。さらに、ホストからの通信に紐づくプロセスを特定する方式の開発によりより詳細な転送量情報の分類を可能にし、SDNにおける異常検知性能の向上を実現した。 2023年度の後半にはこれらの成果をまとめ、国際会議Twentieth International Conference on Networking and Services (ICNS 2024)にて成果発表を行い、同会議にてBest Paper Awardを受賞した。
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