令和3年度においては、これまでの研究進捗をもとに本研究に関して以下の研究を実施した。 昨年度までは主にシミュレーションデータを用いて実験を行い、主要な既存研究よりも高い性能を与える画像復元や圧縮に関するアルゴリズムを提案してきたが、本年度はこれらについて、研究計画に従って、各種カメラやドローンで取得した実データを用いた評価を実施した。これまで通りに高い性能を与える結果もあったが、そうでない結果もあり、特にドローンの映像に関しては激しいブレの影響と日光や照明の影響が想定よりも大きいことが分かった。これについては今後の検討課題であると言える。また、これまで提案しているカラー画像のグラフ表現による復元技術を、深度・赤外に拡張した方法について研究を実施した。その結果、特に、深度画像への拡張については高い精度を与えることが分かった。さらに、深層学習を用いたノイズ除去に関して研究を進めた。特に、ロボットによる観測時に大きな問題となる、ガラス越しの反射や写り込みなど、従来のデノイジング手法では除去が難しいノイズに対して、学習データの整理によって性能が向上できるという知見が得られた。また深層学習を用いたカラー画像の補正技術に関して、参照画像のみを学習に用いることによる高性能なアルゴリズムについて研究を進め、既存技術よりも高性能な手法を確立した。 これらの内容について、国際会議や国内和文論文誌などで発表を行った。
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