研究課題
本研究の目的は,レーザー屈折結晶を用いた新たなレーザー撮像方式を提案し,信号処理の側面からその基礎理論を確立することである.本年度は当初の予定になかったやむを得ない事情により研究期間を延長したもので,前年までの成果をまとめて論文投稿を行った.昨年度までの成果としては当初の研究スケジュールからは大幅な変更を余儀なくされ,スキャン方法の研究にフォーカスすることとなった.具体的には,これまでに提案したスキャン方法らを用いて様々な画像に対してスキャンおよび復元を行った際の復元精度を検証した.その結果,スキャンを複数回に分割して各分割において復元を行い,直前の復元結果と直近の復元結果の差分が大きい領域を次の分割においては重点的にスキャンするような方式が最も完全スキャン時の結果に近いことがわかった.一方で,レーザー屈折結晶を用いたレーザー撮像器以外の分野へと研究成果を派生させることができた.本研究で対象としているレーザー屈折結晶を用いた撮像器は特殊な機器であり,本研究で得られた成果が社会全体に十分なインパクトを与えられるかという点は不確実であった.今年度査読付論文として公開された上記技術とその新たな分野への応用は,より一般に普及している撮影機材の高解像度化を促すイノベーション技術となりうるものである.本研究で培った不均一サンプリングと信号修復を交互 に行う場合における適切なサンプリング制御法は当初想定していた以上に汎用なアプリケーションを持つことが予想される.
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)
IEEJ Transactions on Electronics, Information and Systems
巻: 143 ページ: 718~727
10.1541/ieejeiss.143.718