研究課題/領域番号 |
19K20330
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
双見 京介 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (70810159)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ヒューマンコンピュータインタラクション / デジタルマインドコンピュータ / 人間拡張工学 / 錯覚・心理効果・認知バイアス / モバイル・ウェアラブル・ユビキタス / 心理・認知 / persuasive technology / 情報インターフェース |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,日常生活に存在するあらゆる情報提示機器を利用して,その利用場面における主たる目的が無意識的に実現されるように心身に魔法をかける「主目的実現型錯覚」を生む情報提示技術の実現である.この実現のために,心理的・認知的な錯覚を起こし得る情報提示的な要素を解明してコントロールする手法の設計と実証を行う. 本年度は,次のことを行った. まず、感覚機能の操作手法を進めた。具体的には、体感経過時間を変容させる錯覚を操作するために、手首装着型機器を用いた触覚刺激の提示手法と、HMDやモバイル機器などの情報画面を用いた視覚刺激の提示手法を設計し、実装した。評価結果から、体感経過時間を操作する刺激の要素を発見し、実時間に対して体感経過時間の増減が可能であることを確認し、研究成果公開の準備をした。次に、認知機能のパフォーマンスの操作手法を進めた.具体的には,前年度の成果を元に、暗記学習状況を対象にして,被験者を拡充した評価を行った。結果として、暗記に関わる認知機能が視覚刺激によって変容する現象の存在を発見し、情報インターフェースにおける視覚刺激のみで暗記機能向上をユーザに無自覚的に起こせることを確認し、研究成果公開の準備をした。次に、身体機能のパフォーマンスの操作手法を進めた.具体的には,前年度の成果を元に、重量物を運ぶ状況を対象にして,被験者を拡充した評価を行った。結果として、閲覧した筋活動量センサ情報と一致した心身状態が誘発される現象の存在を発見し、筋活動量センサ情報のみで心身の耐性機能向上をユーザに無自覚的に起こせることを確認し、研究成果公開の準備をした。また,ユーザの状態や状況の認識手法をウェアラブル機器を用いて複数実装し,その有効性を確認し、研究成果公開の準備をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り,本研究構想に沿う手法の実装と検証ができたため.また、最終年度に研究成果を公開する準備ができたため。
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今後の研究の推進方策 |
まず、これまでの成果の公開を行う。論文として成果をまとめて投稿を行う予定である。内容は、感覚の操作手法、認知機能の操作手法、身体機能の操作手法に関するものを予定する。 次に、今回設計した手法の効果には個人差があったため、個人差を生む要因や個人差を考慮したうえでユーザに最適な手法を提供するための仕組みを考案する。例えば、国際的に確立されている性格診断やコンピュータ利用時の無自覚的な反応のデータに機械学習を適用することで、そのユーザが手法に対してどういう反応を起こすかを予測する仕組みを想定する。その他の本研究構想に貢献する手法の研究も随時拡充する。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用額の変更は、必要な実験計画の変更や購入物納品遅れによって生じた。次年度の成果発表や実験実施などによって研究費を使用する。
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