本研究の目的は,日常生活のあらゆる情報機器を利用して,ユーザの目的が無意識的に実現されるように心身に錯覚を起こす「主目的実現型錯覚」を生む情報提示技術の実現である.この実現のために,心理的・認知的な錯覚を生む情報提示的な要素を解明して操作する手法,及び,人のセンシング手法を,推進した. 本年度は,論文誌1件,国際会議1件,国内発表21件,を得た.また,成果の社会実装や事業化を行うために,ピッチコンテストのファイナリスト採択・登壇発表を3件行った.書籍の共同執筆1件を行った.主な成果を挙げる.情報機器利用時のポジティブ/ネガティブなレビューや動画の視聴によってユーザの選択が変化する現象,及び,その現象を活用することで多様な選択を許容するように思考を操作する手法を提案した成果が論文誌に採択された.また,認知バイアスを解除する手法,人の限界を事前推定する手法,人の内面の深い性質がセンシング可能な世界での人への影響の考慮手法,生成AIとのインタラクションやAR/XRの生活空間が起こす現象の考慮手法,その他の萌芽的な研究について国内発表を行い,これまでの研究成果をまとめた「主目的実現型錯覚を生む情報提示技術の確立」を発表した.
|