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2022 年度 実績報告書

反応拡散ネットワーク上における局在構造の形成原理の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K20357
研究機関鹿児島大学

研究代表者

秦 重史  鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (70735927)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードパターン形成 / 複雑ネットワーク
研究実績の概要

本研究課題の目的はネットワーク上に生じる局在パターンの形成原理の解明である.この達成のために大規模な数値実験,および理論解析を行った.まず,葉脈の形態形成などにおいてしばしば仮定される運河仮説に類似した作用を反応拡散ネットワークに取り入れて数値実験を行った.結果,パラメータの値に依存して一様平衡状態が不安定化し,亜臨界分岐を通して系に定常な局在パターンが形成されることが確認できた.また,さらにこの定常パターンが不安定化を起こし,局在パターンがネットワーク上を伝播することが確認できた.一様平衡状態の不安定化が起こる条件は近似的な線形安定性解析により半解析的に説明できた.なお,不安定化が起こった後に局在パターンが生じるメカニズムについては,ネットワークにおけるパターン形成,および連続媒質上の局在パターン形成に関する既存理論を用いても説明できるに至っておらず,これは新奇なメカニズムに起因することが示唆される.
本年度は特に数値実験を通して,局在パターンを形成し得る反応項の種類を調査した.またネットワーク上に複数の局在スポットを形成し得るようにモデルの改良を試みた.拡散係数を局所的に変化させることで複数のスポットの形成に部分的に成功したが,形成されたスポット集団は衝突時に反発することなく融合したため,十分時間が経過すると系にはスポット1つのみが残る.上記を論文にまとめ雑誌に投稿する準備をしている.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 3件)

  • [雑誌論文] 信号点間距離一定のカオス暗号と大規模MIMOにおけるBP復号2022

    • 著者名/発表者名
      迫田和之,秦浩起,秦重史
    • 雑誌名

      電子情報通信学会論文誌B

      巻: J105-B, 07 ページ: 535-542

    • DOI

      10.14923/transcomj.2021JBP3039

    • 査読あり
  • [学会発表] 振動素子と減衰素子が混在する系における同期現象2023

    • 著者名/発表者名
      稲川翔太,秦浩起,秦重史
    • 学会等名
      日本物理学会2023年春期大会
  • [学会発表] ニューラルネットワークを用いたセルオートマトンの解析2023

    • 著者名/発表者名
      濱田祐輔,秦重史,秦浩起
    • 学会等名
      日本物理学会2023年春期大会
  • [学会発表] ハイパーグラフにおいて高次相互作用が次数に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      秦重史
    • 学会等名
      日本物理学会2023年春期大会
  • [学会発表] Synchronization dynamics of coupled oscillator systems with damaged elements2022

    • 著者名/発表者名
      Shota Inagawa, Shintaro Kamikawa, Hiroki Hata, Shigefumi Hata
    • 学会等名
      Conference on Complex Systems 2022
    • 国際学会
  • [学会発表] Degree and weighted degreeof hypergraph2022

    • 著者名/発表者名
      Shigefumi Hata, Tsubasa Sakai
    • 学会等名
      Workshop on dynamical processes on networks
    • 国際学会
  • [学会発表] Degree and weighted degreeof hypergraph2022

    • 著者名/発表者名
      Shigefumi Hata, Tsubasa Sakai
    • 学会等名
      Workshop in Ghent University
    • 国際学会
  • [学会発表] 大規模MIMOにおけるBP復号の誤り推定値の挙動:分類とその比率2022

    • 著者名/発表者名
      迫田和之,秦浩起,秦重史
    • 学会等名
      電気・情報関係学会九州支部連合大会
  • [学会発表] ハイパーグラフにおいて高次相互作用が次数に与える影響2022

    • 著者名/発表者名
      秦重史
    • 学会等名
      第15回 数理モデリング研究会

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公開日: 2023-12-25  

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