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2022 年度 実績報告書

脳神経系が行う時空間情報処理に関する理論研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K20365
研究機関東京大学

研究代表者

寺田 裕  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 客員共同研究員 (40815338)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードニューラルネットワーク / 結合推定 / 平均場理論 / リカレントニューラルネットワーク / 位相振動子系 / 線形応答理論 / 神経ゆらぎ / ベイズ計算
研究実績の概要

本研究では,脳神経系における時空間情報処理メカニズムを数理的に調べるために,数理モデルの解析を出発点にした順問題的アプローチと実験データから数理モデルのパラメータを推定する逆問題的アプローチの双方から研究を行った.順問題的解析においては,リズム的活動に着目した位相振動子モデルに基づく解析と発火率モデルのリカレントニューラルネットワークに基づく解析を行なった.まず,位相振動子モデルにおいて,一般的な相互作用に対する線形応答理論の構築を行なった.この理論結果は非常に一般的な状況設定に対応しているので,この結果に基づき逆問題を定式化することで,マクロな線形応答から結合系の内部パラメータの推定を行う手法を開発した.数値的検証によって,開発した手法が生物学的な系に適用できる可能性が高いことを示した.また,リカレントニューラルネットワークモデルを用いた研究においては,神経ダイナミクスの決定論的な側面が確率的な情報処理において大きな役割を果たすことを示した.この結果は学習後のシナプス結合によって創出するカオス的ダイナミクスによって神経回路網が生成モデルとしての役割を果たしうることを示唆している.また,先行研究を発展させることで一般的な枠組みにおいてスパイク列から背後にあるニューロン間の結合を推定する手法を発展させた.最後に,リカレントニューラルネットワークを理論解析することによって多変数の符号化を安定的に行えるメカニズムを理論的に提案した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] カリフォルニア大学サンディエゴ校(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      カリフォルニア大学サンディエゴ校
  • [学会発表] Stable coding in gated recurrent neural networks2023

    • 著者名/発表者名
      Yu Terada, Johnatan Aljadeff
    • 学会等名
      COSYNE 2023
    • 国際学会
  • [学会発表] 確率計算におけるカオス的な神経活動の役割2022

    • 著者名/発表者名
      寺田裕,豊泉太郎
    • 学会等名
      NEURO 2022
  • [学会発表] Chaotic neural dynamics facilitate representations for probabilistic computation through their intrinsic variability,2022

    • 著者名/発表者名
      Yu Terada, Taro Toyoizumi
    • 学会等名
      Neuroscience 2022
    • 国際学会
  • [図書] ニューラルネットワークとディープラーニング2022

    • 著者名/発表者名
      Charu C. Aggarwal、竹村 彰通、今泉 允聡、李 鍾賛、今井 貴史、今井 徹、紅林 亘、齋藤 邦彦、健山 智子、寺田 裕、西出 俊、西出 亮
    • 総ページ数
      520
    • 出版者
      学術図書出版社
    • ISBN
      978-4-7806-0714-7

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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