研究課題
本研究は大規模データによる把持動作の効率化に関する研究を行ってきた.これは大規模データを作成することが困難な環境においても高性能な動作を実現するために,大規模データで学習するモデルをその環境に合わせて転移することで実現しようとするものである.そこで,本研究ではその手法の開発をデータに偏りがあるような環境での学習の効率化や能動学習及び自己教師あり学習などさまざまなアプローチで検討を試みてきた.今年度においては,本研究のメインテーマである大規模データで学習したモデルを如何にして転移するかということを考え,2点のアプローチで研究を行ってきた.具体的にはドメイン適応とドメイン一般化である.ドメイン適応とは,ある環境(ドメイン)で学習されたモデルを違う環境に移した際に精度の低下を緩和させるようにモデルをその環境に適応させる技術である.一方で,ドメイン一般化とは,環境に依存しない特徴を学習することにより環境の変化にロバストなモデルを構築する技術である.ドメイン適応のアプローチにおいては,主に医用画像を用いて研究を行い,これまでになかったmultiple instance learningの枠組みでドメイン適応を行い,適応先のインスタンスのラベルまで推定するという難易度の高い課題に取り組み,高精度を達成した.また,ドメイン一般化のアプローチにおいては,こちらも医用画像を対象として研究を行い,病理画像における核分裂像の検出タスクにおいて,未知の環境においても高い精度を達成した.
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