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2020 年度 実施状況報告書

波面補償と符号化撮像系を導入したマルチスペクトル高解像眼底イメージング法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K20401
研究機関和歌山大学

研究代表者

最田 裕介  和歌山大学, システム工学部, 助教 (30708756)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード圧縮センシング / 回折格子 / 分光イメージング
研究実績の概要

研究実施計画に沿って,主に圧縮マルチスペクトルイメージング法に関する研究に取り組んだ.本研究のベースとなっている符号化開口スナップショット分光映像法(CASSI)に対し,これまでに取り組んできた分散素子として回折格子を導入し,1次回折光に加えて0次回折光も利用する手法に関連して,一般的なロンキー型の格子に加えて,1次回折光の回折効率を向上させることができるブレーズド回折格子も検討をおこない,これらを導入した際の特性や性能の違いを比較した.また,圧縮センシングに基づいた再構成アルゴリズムの改良をおこない,信号対雑音比が低い状況下でも高品質な分光イメージングが実現可能であることを示した.一方,研究実施計画で述べた体積ホログラフィック素子を用いた分光イメージング法の確立には至らなかった.計画では,面内の光波振幅分布を変調する符号化開口および,光波の分散を生じさせる回折格子の機能を体積ホログラムにもたせ,非常に簡易な光学系を実現することを目標としていたが,現状は体積ホログラフィック素子の感光特性や回折効率の概算に留まっており,本素子の本格的な使用は次年度以降に持ち越す予定である.
その他,シャックハルトマン(SH)波面センサーの改良に関連して,これまでに取り組んでいたハイブリッドマイクロレンズアレイのような特殊なものを用いず,通常のレンズアレイを用いてより高性能化を図る研究をおこなった.ここでは,SH波面センサーで取得される集光スポットマップの解析に深層学習を適用することで広ダイナミックレンジもしくは空間分解能の向上を目指した.今後は,前年度までに取り組んできた方法にも応用することでさらなる性能向上を見込む.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度計画していた圧縮マルチスペクトルイメージング法について,その改良については一定の成果を挙げられたが,計画していた体積ホログラフィック素子による小型符号化撮像系の構築と実証についてはほとんど進められておらず,やや計画に対して遅れているといわざるを得ない.しかしながら,使用するフォトポリマー材料の特性評価をおこない,良好な回折効率をもつことは確認できており,次年度に体積ホログラフィック素子の作成およびこれを導入した撮像系の構築は可能であると見込んでいる.
また,SH波面センサーに深層学習を適用することで性能向上を果たせることも確認できたので,前年度取り組んだことのさらなる発展も期待できる.これらは次年度に取り組む予定である.

今後の研究の推進方策

遅れている体積ホログラフィック素子の作成と評価を優先的に進め,圧縮マルチスペクトルイメージング法に導入することに当面は取り組む予定である.さらに,並行してSH波面センサーにハイブリッドマイクロレンズアレイおよび深層学習の両方を適用することによりダイナミックレンジおよび空間分解能のさらなる改善を目指す.続いて,これら二つの技術を合わせた波面補償マルチスペクトルイメージングシステムを構築し,高解像な分光画像が取得できるかどうかの原理検証実験をおこなう.最終的には,生体組織もしくはこれを模した対象に対してイメージングをおこない,その特性や性能を検証する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Compressive spectral imaging with a blazed grating to improve the signal-to-noise ratio2020

    • 著者名/発表者名
      Daiki Shimoyama, Yusuke Saita, and Takanori Nomura
    • 学会等名
      OSJ-OSA-OSK Joint Symposia on Optics
    • 国際学会
  • [学会発表] 深層学習による波面曲率推定を導入したシャックハルトマン波面センサー2020

    • 著者名/発表者名
      梅木智明, 最田裕介, 野村孝徳
    • 学会等名
      日本光学会年次学術講演会Optics & Photonics Japan 2020

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公開日: 2021-12-27  

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