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2019 年度 実施状況報告書

細菌叢遺伝子情報を利用した新規鑑定解析技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K20408
研究機関科学警察研究所

研究代表者

横田 亮  科学警察研究所, 法科学第二部, 主任研究官 (80733154)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード微生物叢 / 多様性解析 / シークエンス解析 / 機械学習
研究実績の概要

鑑定実務への研究成果の応用を前提とすることから、使用する公開データセットの必須要件として、「具体的な運用方法を想定できること」、「必要に応じてサンプルを追加採取できること」、「サンプルを特徴付ける十分なメタ情報を有すること」の3点を定め、公開データベースの中から適切な細菌叢16S rRNAデータセットの探索及び選定を行った。初年度の研究計画では、本研究の提案手法と生態学で慣例的に用いられてきた解析手法を比較検証する基盤を構築する予定であったことから、選定した公開データセットに対して、菌叢解析用パイプラインであるQIIME2を用いた多様性解析を行った。また、サンプル採取場所等のメタ情報と解析結果を可視的に比較するために、地図上にメタ情報と解析結果をインタラクティブに表示するユーザーインターフェースを作成した。
さらに、計画外の研究成果として、細菌ゲノムにおけるCRISPR領域のスペーサー配列に対する多様性解析を所属研究所の共同研究者と共に行い、同配列情報を用いた異同識別の有効性について検証した。複数の被験者から複数の採取場所で皮膚常在細菌叢を採取してCRISPR領域のスペーサー配列を解析した結果、β多様性について個人内に対する個人間の差に顕著な傾向を示したことから、スペーサー配列情報が個人間の異同識別に有効である可能性が示唆された。また、CRISPR領域のスペーサー配列についてBLAST解析を行ったところ、スペーサー配列はウイルスや細菌ゲノムの配列に一致していたことから、スペーサー配列解析の妥当性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究実績の概要に記した既存公開データの必須要件を満たすデータの選定に時間を要したため。また、当初の研究計画外であるCRISPR領域のスペーサー配列に注目した解析についても検証を行ったため。

今後の研究の推進方策

昨年度の研究成果に基づいて、16S rRNA領域だけではなく、当初の研究計画では想定していなかったCRISPR領域のスペーサー配列に注目した異同識別にも焦点を当てた新たな解析技術の開発にも取り組む。

次年度使用額が生じた理由

初年度に購入を予定していたワークステーションについて、交付決定額内での価格と製品性能を比較しての選定が遅れたため、物品費の支出が大幅に減少した。上記ワークステーションの購入を次年度行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 皮膚常在細菌叢におけるCRISPRの多様性2020

    • 著者名/発表者名
      豊間根耕地、横田亮、渡邊賢、阿久津智子
    • 学会等名
      第14回日本ゲノム微生物学会

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公開日: 2021-01-27  

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