研究課題/領域番号 |
19K20415
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
CHEN LU 京都工芸繊維大学, 情報工学・人間科学系, 助教 (60822872)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ネットワークトポロジー / ニューラルネットワーク / モジュラリティ / 深層強化学習 |
研究実績の概要 |
令和2年度においては、令和元年度に行った分類問題への応用を踏まえて、強化学習の問題への応用を図り、環境変化への耐性を示した。
本研究では、ニューラルネットワークに大規模なデータを学習させる際に生じる「破滅的な忘却」を回避して、継続的な学習を可能にするニューラルネットワークを設計することを目的とする。「破滅的な忘却」は、新しい知識を学習させていくと、過去に獲得した知識を極度に失う問題である。手段として、人間の脳において学習の干渉の軽減に貢献しているとされるモジュール性の発生メカニズムを人工ニューラルネットワークの設計に取り入れる。将来的には継続的な学習への応用が期待される。
(1)令和2年度では強化学習の問題への応用を図った。目先の環境のみに対して学習させたニューラルネットワークと比較して、目先の環境に加えて時間的もしくは空間的に異なる環境を交互に与えながら学習させたニューラルネットワークの方が、未学習の環境に遭遇した際の学習精度の低下を抑えることができることを明らかにした。 (2)加えて、令和元年度に行った分類問題への応用に関する研究をまとめ、論文誌に投稿した。繰り返し切り替わるゴールを与えて学習させることにより、モジュール性の高いニューラルネットワークが得られ、破滅的な忘却を軽減できることを明らかにし、また、モジュール性を強化する手法として、モジュール間の要素を抑制しながら学習する手法を提案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脳におけるモジュール性の発生メカニズムの強化学習問題への応用の可能性を示した。
現在までの研究成果については、査読付き学術論文誌1本に投稿し、採録された。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は、本年度の成果を踏まえて、複雑に相互作用する環境における強化学習の問題への応用を検討することを予定している。
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