研究課題/領域番号 |
19K20416
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
竹内 広宜 武蔵大学, 経済学部, 教授 (80824119)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | AIサービスシステム / エンタープライズアーキテクチャ / ビジネスITアライメント |
研究実績の概要 |
2020年度は2019年度に作成したビジネスAIアライメントモデルについて、その洗練と活用法に関する研究開発を進めた。前者については、MLプロジェクトキャンバスと呼ばれるキャンバス形式で機械学習を活用するプロジェクトをモデル化する手法と本研究のアライメントモデルとの比較を行い両者が補完的な関係であることを示した。また、キャンバスモデルの構成方法をアライメントモデルを使って導出し、検証を行った。 後者については、アライメントモデルを用いてAIシステムの動作原理の説明が非AI専門家に対して効果的に行えることを被験者実験を通して検証した。また、ビジネスアライメントモデルの構成法についても実プロジェクトでの検証を行い、国際会議にて発表を行った、 ビジネスAIアライメントモデルを検討する上で、実践プロジェクトのデータの重要性を確認し、その収集方法を検討した。様々な形式で行われているAIプロジェクトの実践状況を表現する手法を提案し、機械学習工学研究会のワークショップで実務家23人を交えた実験を行い、実践プロジェクトのデータを収集し、統一した形式で実践内容のデータを得ることが確認された。また、収集されたデータとその活用方法について、機械学習工学のコミュニティで活発に議論することができた。 2020年度は新型コロナの影響で、国際会議および国内会議はすべてオンライン参加となったが、英語ジャーナル論文1編、査読付き国際会議論文4編、国内研究会論文5編を発表することができた。またスマートエスイーセミナーと呼ばれる実務家向けセミナーでの講演も2回実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開発を行うビジネスAIアライメントモデルについて、洗練と活用方法の検討が進み、国際会議などで議論できたことで当初の計画通りに進んでいる。また、新たにプロジェクトの実践データの収集と活用の検討が行えたため、これを用いてアライメントモデルの有効性検証といった発展的なテーマが新たに生まれている。研究発表は新型コロナの影響でオンラインに限定されているが予定以上の本数の発表ができた。以上より、本研究課題はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
研究成果についての議論とコミュニティの活性化を目的とし、機械学習工学研究会などで実務家を交えたワークショップの開催をし、実践にもとづいた研究成果の検証を行っていく。新型コロナの影響で2021年度も国際会議はオンライン中心になると考えられるが、国内会議ではハイブリッド開催などのものに積極的に参加し、できるだけ多くのフィードバックを他の研究者から得ることを進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の影響により、参加予定だった国際会議3件がオンライン開催となった。そのため、未使用額が生じた。次年度請求額と合わせ2021年度以降の国際会議および現地調査で使用する計画である。
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