学生にとって教科書のわかりにくい箇所を表示し,改善箇所の提示ができれば,よりわかりやすい教科書へ改善する際に教育者への手助けとなることが期待できる.本研究では,学習者の学習活動をデジタル教科書システムやセンサ類で自動的にセンシングし,教科書難易度推定に基づく教科書改善システムの研究開発を行う.本年度は,開発した視線分析手法を様々な学習コンテンツに適用および,その解析のために,視線データの追加収集のための,収集基盤の整備を行った.今後の収集のしやすさを考慮し,ヘッドマウントディスプレイに統合された視線追跡装置に電子教科書を提示するシステム構築を行った.これまでのディスプレイマウント型の視線収集装置よりも安価で,実験参加者の頭部の動きに強いため,分析に十分な精度で視線が収集できることが期待される.しかし,収集実験を検討していたが,本年度もコロナウィルスの影響でデータ収集が難航したため,実施はできなかった.
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