研究課題/領域番号 |
19K20422
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研究機関 | 山陽小野田市立山口東京理科大学 |
研究代表者 |
山本 頼弥 山陽小野田市立山口東京理科大学, 工学部, 助教 (70825116)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | プログラミング学習支援 / デバッグ学習支援 / 学習支援システム |
研究実績の概要 |
本研究課題では,初修レベルのプログラミング学習での初学者向けデバッグ手順の検討とそれを指導する座学・演習を含む授業パッケージおよび演習を支援する学習支援システムから成るデバッグ学習支援環境の開発を行っている. 2021年度は,引き続きデバック学習支援環境における指導内容の検討を行った.具体的には,最初期のデバッグ学習を終えた学習者が次のレベルとして「状況に応じて適切なデバッグ手法を選択すること」を学習できる指導内容を検討した. 最初期の学習内容としてはソースコードを1行ずつ上から命令文を確認する手法を教えているが,それに対して追加の手法として,ある一定のアルゴリズムとソースコードのかたまりを対応付けて複数の命令文を観察する手法を指導することとした.観察手法選択戦略の指導については,基本的にアルゴリズムの粒度と対応付ける命令文の行数を基準として観察範囲を選択することを指導することを考えているが,デバッグ手法の選択戦略はケーススタディ的な要素もあるため検討の余地が残っていると判断している. また,これに関連して,学習支援システムについて,追加のデバッグ手法に対する学習支援機能の設計はおおむね完了しているが,デバッグ手法の選択戦略を支援するための機能(特に学習者の状態を診断する機能)の設計について細部まで検討できていない. 以上に加え,アルゴリズム理解支援に向け,段階的詳細化途中である中間粒度とソースコードの対応付けた視覚化方法についても検討した.現状では,関連研究であるプログラムの挙動視覚化ツールTEDViT上にて教師の用意したソースコードの視覚化を実現しているため,昨年度までの成果と合わせてデバッグ時に必要なアルゴリズムの段階的詳細化の学習支援機能を検討する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度に検討した今後の研究の推進方針に基づいて,2021年度は研究実績の概要で述べた通り引き続きデバッグ学習支援における指導内容の検討を行った.修正した推進方針に対し,一定の進捗を出すことができたが,検討を終えて指導内容の確定まで至らなかった.しかしながら,おおむね検討が出きており,Covid-19などによる研究活動の制限といった大きな問題が発生しなければ実装・実験室評価に移ることができると考えている.以上のことから「やや遅れている」と自己評価している.
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今後の研究の推進方策 |
現在の進捗状況でも述べた通り,2022年度は指導内容についての最終調整を行い,その内容に基づいて実装および実験室評価を行えるよう研究を遂行していく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
指導内容の検討が終了次第,学習環境の実装をする予定のため,学習支援システムのテスト用端末としてWindowsおよびMacのPCをそれぞれ1台ずつ購入した.しかしながら,旅費については2020年度と同様に関連する主要な国際会議や研究会がオンライン開催であったため全体的な利用額が大幅に減少した. Covid-19の状況次第であるが,来年度の研究会などが現地開催になった場合当初予定通り旅費に当てるつもりである.来年度も旅費の利用が大幅に減少した場合は開発環境を充実させることを検討している.
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