研究課題/領域番号 |
19K20427
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
村川 弘城 日本福祉大学, 全学教育センター, 講師 (90736761)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ゲーム教材 / 方略の獲得 |
研究実績の概要 |
2021年度は、主に以下の2点に注力した。 1点目は、2020年度に実施した研究の成果を論文として整理した。2020年度は、様々なゲーム型教材から、勝つことにつながる方略、いわゆる攻略法の分類を行った。結果、「知識理解」「知識量」「計算力」「確定情報の利用」「非確定情報の利用」「情報処理能力」「判断基準」「対話力」「発想力」「短期記憶」「運や直感」といった11個の分類となった。攻略法の分類は、これ以降に実施する研究のための下支えとなる研究である。そのため、少し丁寧に整理し、研究紀要として発表した。今後は、これらの11個の分類を利用して研究をおこなっていく。 2点目は、遊戯者の特性による攻略法獲得の違いについての研究をおこなった。具体的に、数的な能力や普段のゲームとの関わりといった遊戯者の特性と、攻略法の獲得のタイミングやその方法に違いがあるのかについて分析を行った。研究の方法としては、実際に自分達が行動していた時の映像を確認しながら振り返りシートを用いて振り返る、再生刺激法という方法を利用して行った。結果、普段のゲーム実施時間が長い人は、ゲーム実施時間が短い人に比べて、他者の行動から攻略法を獲得するタイミングが早いことがわかった。また、数的な得点が低い遊戯者の方が、高い遊戯者に比べて、他者の行動から攻略法を獲得するタイミングが早いことがわかった。これらの結果は、その理由が同一のものではないと思われるが、遊戯者の特性によって攻略法の獲得の方法が異なる可能性が高いことがわかった。今後の研究に、これらの結果を生かしていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究課題は、被験者が密になって音声を発しながら実施することを中心に計画している。新型コロナウイルスの蔓延により、被験者を集めて実施することができない期間が長く、実施が可能な時期であっても、その方法に制限が多くついた。また、研究を予定している時期に緊急事態宣言が発令されるなど、長期的な研究の計画を立てることが難しかった。このため、進捗状況に遅れが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
進捗状況にも記載したが、現時点で計画通りに進んでおらず、最終年度となる2022年度で遅れを取り戻す必要がある。現時点では、本学も対面が中心となっているため、すでに研究の準備を進めている。しかし、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言などがいつ発令されるのかは予想がつかない。研究課と相談しつつ、研究を進めていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの蔓延により、学生を集めての研究を行うことができなかったため、そのための資料代、人件費、教材費などの予算が残ってしまっている。 研究の遅れを取り戻すために、すでに研究を始めているが、長期的なスパンでの研究の後に実施するべき研究が残っているため、2022年度中に全ての研究を終えることは難しいかもしれない。
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