研究課題
研究計画通り茨城県霞ヶ浦において集中的な実地調査を行い湖内における詳細な流動,混合拡散と栄養塩の動態の計測を実施した.曳航式の観測装置YODA Profiler,乱流微細構造観測装置VMP-250,高速応答係留水温センサー(SBE-56)や超音波流速計(VectorとADCP)を用いて物理計測,現場採水及び自動採水機からサンプリングした水質の分析から栄養塩の計測を行った. 物理構造の計測では,乱流微細構造の計測に注力し水深6mという浅水域における乱流強度(乱流エネルギー散逸率や渦拡散係数)の計測方法を確立した.特に係留観測装置から渦拡散係数を見積もる方法は,連続的な乱流強度の推定に有用であり顕著な成果と言える.採水データからの水質分析では,鉛直混合が弱められ底層への酸素供給が抑制されたタイミングで底質からのリンの溶出が確認され,混合状態が栄養塩動態に強く影響していることを明らかにした.このリンの溶出直後に植物プランクトンの大量発生(アオコ)も確認され,物理構造から生物生産までの一連の流れを実際の計測データから示した.また霞ヶ浦全域を高解像度で解像する3次元水理モデルを開発し,霞ヶ浦へ流入する河川から湖内を経て利根川へ流出するまでの輸送過程を再現可能となった.この3次元水理モデルからも,観測で得られた混合状態と同様に湖面積の大きな西浦の方が面積の小さな北浦に比べ混合状態が強いことがわかった.
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水環境学会誌
巻: 45 ページ: 印刷中
Journal of Marine Systems
巻: 230 ページ: 103722~103722
10.1016/j.jmarsys.2022.103722
土木学会論文集(B2海岸工学)
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