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2020 年度 研究成果報告書

北極広域に沈着した光吸収性粒子の測定手法の開発とその空間分布の観測的研究

研究課題

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研究課題/領域番号 19K20441
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分63010:環境動態解析関連
研究機関東京理科大学

研究代表者

森 樹大  東京理科大学, 理学部第一部物理学科, 助教 (60801181)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード北極 / 黒色炭素粒子 / 黒色酸化鉄粒子 / レーザー誘起白熱法 / 粒径別質量濃度 / 沈着量 / 広域分布
研究成果の概要

光吸収性粒子が雪氷面に沈着すると太陽放射を一層吸収し、雪氷の反射率を低下させる。北極圏における気候影響を定量的に理解するため、まず水中の黒色炭素粒子(BC)と黒色酸化鉄粒子(FeOx)の質量濃度を高精度に測定する世界初の技術を確立した。次にその手法を用いて、北極域に沈着したBCとFeOxの質量濃度、粒径、沈着量の広域分布を明らかにした。従来広く参照されている積雪中BC質量濃度は、本測定結果に比べて10倍程度も過大評価し、雪面反射率の推算値にも波及的に大きな不確実性を持つ可能性を示唆した。また、北極低緯度から高緯度にかけて濃度と粒径が小さくなり、低緯度からの輸送時の降水除去の重要性も示唆した。

自由記述の分野

大気環境科学

研究成果の学術的意義や社会的意義

北極広域に沈着したBCやFeOx粒子の質量濃度、粒径、沈着量の高精度な測定データは、北極圏の気候を予測するモデルの検証に非常に有効である。特に、積雪中BC質量濃度の測定技術の確立により、従来法ではBC濃度が10倍程度も過大評価し、雪面反射率の予測値にも波及的に不確実性を含む可能性を明らかにした。この結果は、次回の北極評議会の作業部会の報告書でも重要な知見として取り上げられる見込みである。本研究成果は今後の北極圏の気候変動への理解に貢献するだけでなく、適切な社会政策を行う上でも重要な知見となりうる。

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公開日: 2022-01-27  

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