研究成果の概要 |
大気ポテンシャル酸素(APO(=O2+1.1×CO2))は大気-海洋間のO2交換によって変動するトレーサーであり、大気-海洋間のO2交換のメカニズムや、海洋循環、海洋生物過程の理解、全球炭素収支の定量評価に利用されている。本研究では、スバールバル諸島ニーオルスンにおいてO2, CO2およびAPOの系統的観測を実施し、十年規模周期の海水面温度の変動やエルニーニョ現象といった気候変動因子との比較から、APOの年々変動の実態を把握するとともに、O2, CO2, APOの長期変動を解析することにより海洋と陸上生物圏の全球平均的なCO2吸収量を評価し、近年の炭素循環の定量的な理解に貢献した。
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