研究課題
若手研究
干潟環境に生息する生物のバルクの有機炭素および窒素安定同位体比と、アミノ酸分子レベルの窒素安定同位体比を測定した。その結果は、干潟環境の生物が陸成有機物由来の有機炭素および有機窒素を直接的に一部の栄養源として利用していることを示した。このことは、陸域から供給される有機物が干潟環境の生態系とそのバイオマス維持に重要な役割をしていることを示唆している。本研究成果は、今後の沿岸生態系や水産資源の維持に重要な知見を提供するものである。
有機地球化学
本研究成果は、干潟環境の生態系とそのバイオマスの維持に陸源有機物が重要な役割をしていることを示した数少ない研究成果の1つである。沿岸域のバイオマスは大きく水産資源としても重要である。そのため、本研究成果は生態系の保全のみならず、水産資源の維持管理を行う上でも重要な知見となる。また、本研究はアミノ酸の窒素同位体分析を干潟の食物網解析に応用した初めての試みであり、今後の干潟生態系研究に新たな研究手法を示す成果でもある。