放射線などの環境要因や内的要因から自然発生するゲノム切断の多くは切断端が化学修飾された「汚い」切断であり、発がん性の強いDNA損傷である。この「汚 い」ゲノム切断の修復はまず切断端を「きれい」(3′末端に水酸基、5′末端にリン酸基が付いた状態)にする必要があるが、分子機構の多くが不明である。本研究では、内的要因から発生する「汚い」切断をモデルとして解析し、「汚い」ゲノム切断を「きれい」にする過程に、様々なDNA修復酵素が複合的に関わっていることを明らかにした。この成果は、放射線などにより自然発生する「汚い」ゲノム切断を修復する経路の異常により、ゲノムに変異が蓄積する機序を理解する一助となる。
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