本研究では、8週齢の雄性C3H/Heマウスの全身または頭部に1.0GyのX線を単回照射もしくは24時間間隔で100mGy×10回の繰り返し照射し、照射1週目から26週目までの諸臓器組織(大腿骨骨髄、頭蓋骨骨髄、脾臓)中の造血幹細胞数と、放射線誘発急性骨髄白血病(rAML)に必須なSfpi1遺伝子の欠失をもつ造血幹細胞の割合を解析した。その結果、Sfpi1遺伝子の欠失を有する造血幹細胞 は諸造血組織において時間経過とともに蓄積される可能性が示唆された。また、照射後のSfpi1遺伝子の欠失は、非照群と比較して単回照射によって増加し、繰り返し照射群よりも高かった。
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