本研究の目的は、大規模出生コーホート『環境と子どもの北海道研究(北海道スタディ)』において、思春期前のリン系難燃剤とフタル酸類の単一曝露および複合曝露による児の第二次性徴発来への影響について前向きに検討することである。 北海道スタディの12歳調査票より、12歳時点の児の二次性徴発来の有無を評価した。7歳の時に回収した児の尿中フタル酸エステル類代謝物10化合物濃度をLC-MS/MSで測定した。児のBBzP代謝物のMBzP濃度が高いと胸の発育が有意に遅くなる関連性が認められた。一時点の曝露評価であるため結果の解釈には注意が必要である。今後は7歳児の他の化学物質との複合曝露による影響を検討する。
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