近年、農作物に対するオゾンの悪影響が懸念されている。本研究では、オゾンの影響プロセスを組み込んだ植物成長モデルを開発し、比較的オゾン濃度が高い関東圏で広く栽培されているコマツナを対象として現状濃度のオゾンによる収量低下率を評価した。都道府県によってオゾンによる収量低下率は異なるが、7月において最も高く、10-27%であった(2010-2019年の平均)。これはオゾン濃度が高いことと、気温が高くてオゾンの悪影響が発現しやすいことに起因していた。したがって、オゾン濃度の低減対策のみならず温暖化対策も必要だと考えられた。
|