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2021 年度 実績報告書

全ゲノム解析による河川水中の薬剤耐性腸内細菌科細菌の実態解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K20461
研究機関京都大学

研究代表者

五味 良太  京都大学, 工学研究科, 助教 (30794284)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード薬剤耐性菌 / 腸内細菌科細菌 / ゲノム解析
研究実績の概要

本研究では、河川水と湖水からカルバペネム耐性腸内細菌科細菌を単離し、ショートリードシーケンシングとロングリードシーケンシングにより、ゲノム配列の決定を行った (注:シーケンシング=塩基配列を決定すること)。その結果、これらのカルバペネム耐性菌は、報告例が少ないカルバペネマーゼ(FRI、GES-5、IMI、SFC、SFH-1)を産生することをつきとめた (注:カルバペネマーゼ=カルバペネム分解酵素)。これらのうち、SFCとSFH-1については、1998年にポルトガルで単離されたSerratia fonticolaからしか報告例がなく、とても珍しいカルバペネマーゼであることがわかった。また、本研究で初めて、SFCとSFH-1が染色体上のGenomic Island上に近接して存在することを特定した。さらに、本研究では、新しいカルバペネマーゼバリアントであるFRI-11、SFC-2、IMI-22、およびIMI-23を報告し、さらにその周辺構造についても特定した。
また、上記研究とは別に、下水から単離したコリスチン耐性遺伝子mcr-3.1を保有する大腸菌株のゲノム配列を、ショートリードシーケンスとロングリードシーケンスを用いて決定し、保有薬剤耐性遺伝子やその周辺構造を同定した。さらに、関連して、ショートリードシーケンスによる塩基配列決定結果のみで、データ解析を効率的に進める手法の開発にも取り組んだ。その結果、Krakenというメタゲノム解析用のソフトウェアを用いることで、ショートリードによって決定された塩基配列から高精度でプラスミド配列を抽出できることをつきとめた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Emergence of rare carbapenemases (FRI, GES-5, IMI, SFC and SFH-1) in Enterobacterales isolated from surface waters in Japan2022

    • 著者名/発表者名
      Ryota Gomi, Yasufumi Matsumura, Michio Tanaka, Masaru Ihara, Yoshinori Sugie, Tomonari Matsuda, Masaki Yamamoto
    • 雑誌名

      Journal of Antimicrobial Chemotherapy

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1093/jac/dkac029

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Occurrence of class 1 integrons carrying two copies of the blaGES-5 gene in carbapenem-non-susceptible Citrobacter freundii and Raoultella ornithinolytica isolated from wastewater2021

    • 著者名/発表者名
      Ryota Gomi, Tomonari Matsuda, Masaki Yamamoto, Michio Tanaka, Thomas Jove, Pei-Hsin Chou, Yasufumi Matsumura
    • 雑誌名

      Journal of Global Antimicrobial Resistance

      巻: 26 ページ: 230-232

    • DOI

      10.1016/j.jgar.2021.06.014

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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