降雨に起因したアオコ発生トリガーの普遍性調査

2019 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 19K20466
• 研究機関: 島根大学
• 研究代表者: 増木 新吾 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 特任助教 (80806894)
• 研究期間 (年度): 2019-04-01 – 2021-03-31
• キーワード: ダム湖 / アオコ / ミクロキスティス / アオコ対策

研究実績の概要

本研究はダム湖における降雨に起因した藻類異常増殖（アオコ）の発生メカニズムについて明らかにするものである。ダム管理者など普段からアオコ関連の情報を収集している場合，降雨後にアオコが発生する場合が多いことを経験的に知っている。申請者は，この降雨に起因したアオコ発生の引き金（トリガ）を明らかにしようとするものである。研究初年度（令和元年）はダム湖において現場観測型の自動昇降観測装置を通年運用し，平常時および降雨時の水質の変動をモニタリングし解析した。その結果，降雨による水質の変動は2タイプ（成層維持型および成層破壊型）に大別されることを明らかにし，アオコの発生は成層破壊型降雨に関連する可能性が高いことがわかった。また，自動昇降観測装置の観測結果を研究室内からモニタリングし，降雨後2タイプがそれぞれ発生した後，ただちに水質調査を実施し，降雨後の栄養塩分布の特徴について整理し，ダム湖特有の現象を明らかにしている。R2年度も計画通り同様の調査を実施し，2年分のデータから最終的な解析を実施する。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究はを計画通りに進捗している。具体的には現場観測型の自動水質観測装置の運用を実施，また気象データ等も予定通り取得している。初年度と同様に自動昇降観測装置によるデータ取得および水質分析による調査を実施する予定である。

今後の研究の推進方策

当初の予定から変更はない。自動昇降型観測装置による観測および水質分析による栄養塩の調査を予定通り実施する。本年度（R2）は最終年度にあたり，得られたデータの解析作業にとりかかる。本研究により得られた知見はダム湖等の管理上有益と思われたため協力頂いているダム管理機関等と一層連携して進めていく予定である。