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2019 年度 実施状況報告書

定量的分析と物語手法を融合した、社会-生態システムの将来シナリオ共有手法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 19K20494
研究機関国際連合大学サステイナビリティ高等研究所

研究代表者

堀 啓子  国際連合大学サステイナビリティ高等研究所, サステイナビリティ高等研究, Research Assistant (80825787)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードシナリオ分析 / 人口分布予測 / 食料需要予測
研究実績の概要

本研究は、日本全国レベルの複数の社会-生態系シナリオを対象に、各シナリオにおける将来的な暮らしの変容の定量的シミュレーションと物語型コミュニケーションの適用による将来シナリオ共有手法の実践的構築を目的とする。2019年度はその第1段階である、①マクロな自然資本や社会変化を定量的にダウンスケーリングした、将来的な人々の暮らしの変容シミュレーションを行った。
国立社会保障・人口問題研究所の地域別将来人口推計を参考に、4つのシナリオにおける年齢階級別人口の空間分布シミュレーションを行い、人口が過密になる地域や2050年までに無居住化する地域をシナリオ毎に推計した。その結果を「人口規模別事業所の存在確率表」と照合し、各シナリオによる各地域のインフラやサービス消費機会の変化を定量的に示した。 また、将来の人口分布を将来の土地利用変化の予測データと重ね合わせることで、人口動態の変化や高齢化によりアクセスや管理が困難になる自然資源や農産業地域を分析する。更に、算出した将来人口に地域別・年齢別消費特化係数を乗じることで、コメ、ほうれん草、カキ、タイ類など、日本の食生活になじみのある食品のシナリオ別の需要量予測を行った。これらは国内食料生産量の将来予測と照合することで、食料自給率の変化や食卓への影響が分析された。これらの分析により、日本全国の自治体やコミュニティの規模、公共・民間サービスへのアクセス性や食生活、観光資源や生活圏の土地利用等、一般市民の生活を規定する要因の変化を定量的に明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の研究内容として計画していた定量的分析作業はほとんどすべて達成できた。

今後の研究の推進方策

2019年度に算出した生活の変化に関する定量的データから、シナリオに応じ複数の物語を作成する。物語の構成要素とその配列ルールを解明したストーリー・グラマー理論に則り、以下のプロセスを用いる。P1:各シナリオにおける代表的な地域と世帯の抽出、P2:埋め込む要素選定 、P3:各要素を反映した人物設定とタイムライン設計、P4:プロットとイラストの作成。地域の暮らしや自然との関係を視察し、地域間で認知に差異が生じうる要素は、各地の生活に共通する設定へ変換する。全工程で物語への変換が困難なデータや課題を記録し、定量的結果の物語への変換時のエッセンスを抽出する。なお物語への変換はデータの不正確な伝達やバイアス形成のリスクを含むため、必要な倫理的配慮も整理する。
但し、2020年度の開始とともに発出された新型コロナウィルスにかかる緊急事態宣言の影響により、シナリオの物語化の技術に関して知見の提供を求める予定であった専門家との会合や、物語の対象地のフィールド調査などの実施が難しくなることが予測される。よって、そういった会合や情報収集などはオンライン形式に切り替える形で対応し、研究を遂行する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Local energy system design support using a renewable energy mix multi-objective optimization model and a co-creative optimization process2019

    • 著者名/発表者名
      Hori Keiko、Kim Jaegyu、Kawase Reina、Kimura Michinori、Matsui Takanori、Machimura Takashi
    • 雑誌名

      Renewable Energy

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1016/j.renene.2019.11.089

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-01-27  

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