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2020 年度 実績報告書

多元素同位体アイソスケープを利用した、海洋における魚類の回遊経路推定手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K20495
研究機関中央大学

研究代表者

松林 順  中央大学, 理工学部, 助教 (30756052)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード放射性炭素同位体比 / アイソスケープ
研究実績の概要

2020年度までの研究から、世界全体における海水中の溶存無機炭素(DIC)の放射性炭素同位体比データを収集し、その時系列変化、緯度および主要海域ごとの変化を予測する機械学習モデルの構築に成功した。また、放射性炭素同位体比が顕著に異なる海域を回遊する魚種では、魚体中の放射性炭素同位体比もその回遊海域の値と一致することを示した。しかし、一般的な緯度経度を使ったモデルでは、海流などによる物理的な水塊間の連結性が考慮されておらず、例えば地峡や半島で分断されているはずの海域同士が似た環境を持つものと認識されてしまうという問題点があることが明らかになった。
そこで、2021年度の研究ではこの問題点を克服するため、海流による水塊間の連結性を考慮したグラフニューラルネットワークを用いて放射性炭素同位体比の分布予測を行うモデルの作成に取り組んだ。衛星データに基づいて予測された過去の各年・各月の海流・流速・水温・塩分のデータをSimple Ocean Data Assimilation (SODA)より入手し、地球上の海洋を等間隔で区切ったグリッドごとに各データを集計し、流向・流速に基づいて隣接するグリッド間の連結性を算出して、グラフデータを作成した。
今後の研究では、各年・各月のグリッドごとにその上空の大気中における放射性炭素同位体比を集計する。また、各グリッドにおける各種栄養塩データ(N, O, Pなど)も可能な限り収集する。これらのデータをもとに、時系列を考慮した半教師ありのグラフニューラルネットワークを構築し、月ごとの放射性炭素同位体比を予測する機械学習モデルの作成を目指す。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Tracking long‐distance migration of marine fishes using compound‐specific stable isotope analysis of amino acids2020

    • 著者名/発表者名
      Matsubayashi Jun、Osada Yutaka、Tadokoro Kazuaki、Abe Yoshiyuki、Yamaguchi Atsushi、Shirai Kotaro、Honda Kentaro、Yoshikawa Chisato、Ogawa Nanako O.、Ohkouchi Naohiko、Ishikawa Naoto F.、Nagata Toshi、Miyamoto Hiroomi、Nishino Shigeto、Tayasu Ichiro
    • 雑誌名

      Ecology Letters

      巻: 23 ページ: 881~890

    • DOI

      10.1111/ele.13496

    • 査読あり
  • [学会発表] アイソスケープを用いたサケおよびカツオの回遊履歴推定2021

    • 著者名/発表者名
      松林 順
    • 学会等名
      令和2年度日本水産学会春季大会

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公開日: 2022-12-28  

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