研究課題/領域番号 |
19K20507
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
張 潤森 広島大学, 先進理工系科学研究科(国), 助教 (50785235)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | transport / electrification / electric vehicles / climate change / mitigation / integrated model |
研究成果の概要 |
本研究は、経済モデルと気候モデルを組み合わせたグローバルな運輸モデルを用いて、交通部門の電化が気候変動対策に果たす役割を明らかにした。交通機関の電化は、運輸部門の直接的なCO2排出量削減に大きな効果があるが、電力部門における気候変動緩和のための野心的な取組みがなければ、電気自動車の導入はエネルギー生産からの排出量を増加させる結果となった。さらに、交通機関の電化政策の実施により、2℃目標を達成するための炭素価格が低下していることがわかる。低い炭素価格はGDPと社会厚生の損失率を大幅に軽減することができる。EV政策は、総じてマクロ経済に与えるマイナスの影響を緩和するのに役立つと考えられる。
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自由記述の分野 |
環境学、土木計画学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、運輸部門の電化が将来の世界全体の温室効果ガス排出量や気候変動にどのような影響を与えるか、また、排出削減や気候変動緩和のためにはどのような政策や戦略が必要かを明らかにした。今回の研究は気候変動緩和に対する運輸部門の電化の貢献や、低炭素移行に向けた潜在的な解決策としてのEVの役割を過小評価するものではない。むしろ、より調和のとれた包括的な政策を策定するためには、運輸部門の電化と電力部門の相互作用が必要であることを強調している。運輸部門の電化をカーボンプライシングなどのエネルギー政策と組み合わせることで、運輸部門からの排出削減と社会全体の低炭素化の同時達成をできる可能性がある。
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