• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 研究成果報告書

北極グリーンランドにおける科学と在来知の調和と背反をめぐる政治学的実証研究

研究課題

  • PDF
研究課題/領域番号 19K20514
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分80010:地域研究関連
研究機関北海学園大学 (2021-2023)
北海道大学 (2019-2020)

研究代表者

高橋 美野梨  北海学園大学, 法学部, 准教授 (90722900)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード異種混淆性 / 表象
研究成果の概要

本研究課題の目的は、クジラ等の生物資源を事例に、グリーンランド・イヌイット社会における科学知と在来知の調和と背反の解法を探求するところにあった。グリーンランドがデンマークの体系的な社会統合政策に組み込まれていく18世紀以降の科学知と在来知の結節の局面(自立・保全・同時間性の否定という3要素の検討)を起点に、その受容過程の実質を検討した。結果、デンマークによる「服従の形式」が、グリーンランドに多大な変更を強いるものではなかったがゆえに、グリーンランドでは、在来知と科学知の均衡性が保たれていること、そのことで、自己呈示として在来知的実践を重ねるインセンティブが弱められたことを指摘した。

自由記述の分野

地域研究

研究成果の学術的意義や社会的意義

科学知と在来知の結節を、エスキモーと非エスキモーの歴史を事例に、フィールドワークと先行研究との往還を通じて、記述的に更新したこと。グリーンランドでは、18世紀の植民地化以降、在来知に基づく慣習等への制約を最小化する施策が講じられた。結果、一方ではアラスカやカナダのエスキモー社会とは異なり、在来知と科学知の均衡性が保たれてきたことを指摘した。しかし他方では、民族誌等に記述される在来知的実践が、その後喪失の可能性が指摘できるにもかかわらず、直線的にその後の当地の人間の諸実践と紐づけられる民族誌的現在の問題も可視化した。両者の対照性は、先住民(社会)に対するイメージと実態への理解を促すものである。

URL: 

公開日: 2025-01-30  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi