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2023 年度 実績報告書

西アフリカにおけるイスラーム系移民の危機回避に関する人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K20517
研究機関国士舘大学

研究代表者

桐越 仁美  国士舘大学, 文学部, 講師 (70793157)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード人口移動 / 農地獲得 / 移民コミュニティ / ゾンゴ / 衛星画像データ
研究実績の概要

本研究は、西アフリカのガーナ社会がいかにイスラーム武装勢力による過激主義の侵入・拡大を防止しているのかを検討することを最終的な目標として、イスラーム系移民コミュニティの危機回避能力に焦点をあてた分析を加えることを目標としている。今年度はガーナ共和国ボノ・イースト州テチマンにおける2022年度の調査で明らかになった1980年代後半以降の急速な流入と、その後の農地の獲得状況と斧手法の変化について、衛星画像データをもとに視覚的に捉える試みをした。その結果、1980年代後半からテチマンの町は急速に拡大し始めたことが明らかとなった。また、農地については2000年代初頭は一年生作物の栽培に特化していたが、2010年代に入ると樹木作物の栽培が拡大してきたことが明らかとなった。これは分益小作制度を通じた農地の分割贈与により北部出身者の農地獲得が進行していることを表している。北部出身者への聞き取りによれば、この土地の分割贈与は、北部出身者が土地の所有者(ホスト社会の人びと)と良好な関係を構築してはじめて成立するものである。また、北部出身者とホスト社会の人びととの良好な関係は、1980年代後半の北部出身者の流入によって各地に形成された移民コミュニティ「ゾンゴ」を基盤としていることが明らかとなっている。以上の結果より、西アフリカのガーナ社会では、移民コミュニティがホスト社会との仲介を担い、個々の移民がホスト社会の人びとと良好な関係を構築したうえで共生を試みているという実態をとらえることができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 「プラスチック川」を取り巻く実情―ガーナのプラスチックに関する取り組みと実態―2023

    • 著者名/発表者名
      桐越仁美
    • 学会等名
      日本アフリカ学会
  • [備考] 国士館大学教員情報

    • URL

      https://www.kokushikan.ac.jp/education/researcher/details_120011.html

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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