研究課題/領域番号 |
19K20517
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 国士舘大学 (2020-2023) 東京外国語大学 (2019) |
研究代表者 |
桐越 仁美 国士舘大学, 文学部, 講師 (70793157)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 移民コミュニティ / ゾンゴ / イスラームネットワーク |
研究成果の概要 |
現地調査および文献による調査を実施した結果、現在のガーナ各地に形成されているイスラーム系移民コミュニティ「ゾンゴ(zongo)」では、ゾンゴの首長であるマイギダ(mai-gida)あるいはサルキ(sarki)によって、危険因子の侵入抑制がおこなわれていることが明らかとなった。 ゾンゴの首長は、ゾンゴ内でトラブルを引き起こしそうな人物に関する情報があれば、その人物を追放することができるとされている。そのほかに、首長が担っているのは、ゾンゴの施設への投資である。これは移民コミュニティの人びとの生活の質の向上において大きな役割を果たしている。
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自由記述の分野 |
地理学、アフリカ地域研究
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
西アフリカでは、2010年以降イスラーム武装勢力によるテロ・誘拐事件が多発している。武装勢力の活動に対しては、アンチテロリズム(テロの防止)によるアプローチも重要であることが指摘されている。アンチテロリズムという語は、一般に政策面からの対応に用いられるが、住民が武装勢力との接触を回避し、イスラームの過激主義の侵入・拡大を防ぐこともアンチテロリズムとして有効であると考えられる。本研究の成果は、イスラーム系の移民は商人のネットワークを活用し、イスラームの過激主義の侵入あるいは拡大を阻止するようにも機能することを示すものであり、アンチテロリズムを検討するうえで重要な情報を提供していると考えられる。
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