研究課題/領域番号 |
19K20518
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研究機関 | 政策研究大学院大学 |
研究代表者 |
高木 佑輔 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授 (80741462)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | フィリピン外交 / 地域主義 / 国際主義 / 東南アジア国際関係 / インド太平洋 |
研究実績の概要 |
昨年度、掲載が決まっていた英文査読雑誌Philippine Review of Economicsの論文("The Nexus of Nationalism and Internationalism: The Journey of a 'Diplomat' After the Galleons")が出版された。2021年度は、これまでに収集した資料の批判的読解を継続した。特に、ラモス大統領時代に進んだ地域主義外交であるブルネイ・インドネシア・マレーシア・フィリピン東アセアン成長地域(BIMP EAGA)についての調査を進めた。BIMP EAGAを含む地域主義外交の系譜につき、アメリカからの独立直後になされた西太平洋構想などについても調査を進めた。成果の一部を、「フィリピンの地域主義外交と西太平洋連合」にまとめ、北岡伸一(編)『西太平洋連合のすすめ―日本の「新しい地政学」』(東洋経済新報社)所収の論文として公表した。また、ラモス大統領時代にまで続くフィリピン外交における国際主義の起源を探る試みとして、「サンフランシスコ講和条約とフィリピン―国際主義の定着とその後」を執筆し、川島真・細谷雄一(編)『サンフランシスコ講和とアジア』(東京大学出版会)所収の論文として公表した。 以上に加え、ラモス大統領期以降に顕著になった中国との対峙についての原稿を執筆、2022年度中の出版を予定している。 そのほかのアウトリーチ活動としては、本研究の成果を踏まえ、「東南アジア諸国の対中戦略と日本への新たな期待」を執筆し、『中央公論』2021年10月号に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度、掲載が決定していた英文査読雑誌論文("The Nexus of Nationalism and Internationalism: The Journey of a 'Diplomat' After the Galleons")が学術雑誌Philippine Review of Economicsに掲載され、出版された。それに加え、2冊の専門的な学術書にフィリピン外交についての論文を寄稿し、出版された。さらに、もう一冊の専門的な学術書にフィリピンの対中外交についての論文を寄稿し、出版が予定されている。アウトリーチ活動として『中央公論』に寄稿した。また、研究成果の一部を踏まえ、英国キングスカレッジなどが展開している国際研究プロジェクトのウェビナーで英語報告を行った。
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今後の研究の推進方策 |
これまで収集した資料、ウェビナー等での報告を踏まえ、フィリピン外交についての英語論文を執筆、査読付きの英文雑誌に投稿する予定である。成果のアウトリーチについても、機会を見つけて積極的に行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、現地調査及び国際学会への参加等が実施できなかったため。2022年度は、可能であれば現地調査を行う予定であるが、それがかなわない場合、オンラインインタビュー等を行うことで研究を進める予定である。
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