研究課題/領域番号 |
19K20519
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
宮澤 尚里 名古屋大学, 国際開発研究科, 学振特別研究員(RPD) (80625476)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 住民組織 / 環境保全 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、紛争後社会における環境管理のために、住民組織の持つ役割を明らかにし、その役割に影響する政策を分析することである。本研究で着目したのは環境管理の「アクターのバランス」である。「環境資源」は管理の方法によって、長期的な和解プロセスの「糧」になり得る一方で、新たな紛争の「火種」となる可能性の両側面を備えていることがわかった。そのプロセスで重要となるのは、ステークホルダーの分析である。政治的・社会的移行期において、政府の統治能力が限られる状況においては、住民組織らが新たな役割を持ち始めたことが観察されてきた。この移行期において、住民組織が主体となって環境管理をすることによって、多岐に渡る新たな役割と機能を持ってきている可能性がある、と考え調査研究を進めている。
そこで、インドネシアにおいて、住民組織の役割とアクターとの紛争解決プロセスについて、フィールド調査を行った。さらに、紛争解決のルールの策定と行政との調整について、ケーススタディを調査することができた。特に、大学、村落組織、住民組織の関係者に対しインタビュー調査を行い、有益な意見を聞き取ることができた。調査結果を元に、住民組織をめぐる政策・法制度を分析し、住民組織が効果的に機能するための方法論を案出・提案する。そして、国際会議の招聘を受け、これまでの研究内容を発表できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナウィルスの流行により、社会活動が制限され、フィールド調査の実施方法などに、影響が出たため、実施方法や調査規模・回数を工夫した。
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今後の研究の推進方策 |
住民組織が主体となり、新たな環境保全活動を取り入れている地域を比較し、住民組織の新たな役割と、影響している要因について分析を行う。政府機関、大学、NGO、住民組織の関係者、村民らに対し、異なる立場からの見解を聞き取り分析する。ヒアリング調査と文献調査の結果を照合し、住民組織の新たな役割と政策の関連性について分析する。研究成果を随時まとめ、国際会議等で発表してゆく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスによる社会活動制限があったため、フィールド調査実施の際にも影響があり、次年度使用額が生じた。フィールド調査の実施方法や調査規模を工夫し、今年度計画していたフィールド調査を実施する予定である。
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