研究課題/領域番号 |
19K20526
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
鵜戸 聡 明治大学, 国際日本学部, 専任准教授 (70713981)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | アラブ文学 / ユマニスム / アルジェリア文学 |
研究実績の概要 |
延長期間である本年度は,アルジェリアのバトナ大学を訪問して,研究交流を行う予定だったが,先方の都合で開催時期が延期されたため,渡航がかなわなかった。代わりに,同大学からサファ・ジェブリ助教授を迎えてアルジェリアの漫画文化に関するワークショップを明治大学に開催した。 また,これまでの研究成果の一端をベトナム・ホーチミン市のヴァンラン大学で開かれた国際シンポジウムに招待され A preliminary study of Afro-Asian literary connections among Japan, Algeria, and Vietnam : The cases of Hotta Yoshie and Kateb Yacine と題した報告を行った(ホーチミン国家大学出版局より出版済み)。さらに,国立民族学博物館で開かれたワークショップ「《地中海文学》という多元的価値共創文学の可能性」において「比喩と口実の「地中海」文学:文明の航路から多元性の群島へ」と題した報告を行い,本研究計画と,現在実施中の新しい共同研究とを架橋する議論を行った。また,台湾の中東研究者(中央研究院)とも研究打ち合わせを行った。 なお,レバノンの詩やアルジェリアの諺の邦訳を含めた成果報告書 Anthologia Mediterranea も作成した。また,アルジェリア戦争をテーマにした堀田善衛の小説『スフィンクス』に関する論文も近刊予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍に海外調査ができなかった分の予算を繰り越したものの,先方の都合で渡航がさらにずれ込んだことで一定の遅れはでたものの,代わりに先方の研究者を受け入れてワークショップを開くなど,研究自体は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究計画は基本的には完了しており,コロナ禍で実施できなかった海外調査を実行するために残った予算を再繰り越ししたものである。アルジェリア調査の予定を調整しているところだが,近年,ビザの取得が難しくなっている。現地大学との折衝も多くの手続きが必要であるため予断は許さないものの,可能な限り渡航を実施したい。併せてこれまでの研究の成果を書籍としてまとめていく計画がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
もともとコロナ禍で海外渡航ができず,とくにアルジェリア出張の予定を延期していたものの,昨年度訪問予定だったアルジェリアの大学の関係者の都合で予定がずれこんだため。
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