研究課題/領域番号 |
19K20530
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
佐々木 俊介 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究センター), 助教 (70792208)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | インフォーマル・リサイクル / ウェイスト・ピッカー / リサイクル率 / 収入レベル / インドネシア / マレー語圏 |
研究実績の概要 |
本研究課題はマレーシア、インドネシア、東ティモールでのフィールド調査に基づく調査であり、新型コロナ・ウィスルの問題発生による渡航制限のため、研究が大幅に遅れている。今年度は、来年度以降の研究継続を主な目的として研究を行った。 本研究の目的は、学術面では、どのような条件でインフォーマル・リサイクルが成立し、どのような条件の時に最も盛んに行われ、どのような時に衰退していくのかを、東ティモール、インドネシア、マレーシアを事例に明らかにすることであり、実務面では、各条件下でどのような政策を行うことがインフォーマル・リサイクルも最も効果的に活かすことができるのかを明らかにすることである。2020年度は、新型コロナ・ウィスルの問題発生により、フィールド調査の実施が困難であったため、インドネシアを対象にしたオンラインでの研究を中心に行った。 2020年度の成果は、インドネシアにおいて、インフォーマル・リサイクルを活用した政策を検討するために、スラム街の人口構成、ウェイスト・ピッカーの収入レベル、リサイクルへの貢献に関する追加調査を行った。具体的には、2013年に行った調査と同様の調査を行うことで、どのような変化があったのかを明らかにすることを目的として調査を行った。 これに加えて、2021年度に向けた準備も行った。現状において調査対象国における入国制限によりフィールド調査の実施が極めて困難な状態にある。2021年度は、リモートでの調査が中心になるため、今年度構築したリモートでの調査環境の維持ができるように対応を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ・ウィスルの問題発生による渡航制限のため、フィールド調査がほとんどできず、研究が大幅に遅れている。 本研究は、研究代表者がこれまでに行ってきた長期滞在調査を基盤とした研究であるため、渡航ができない状況は、本研究にとって極めて大きな問題となっている。また調査地が廃棄物最終処分場やスラム街など、公衆衛生上の課題が多い地域であるため、現地大学の研究協力者に調査を依頼することも困難であるため、リモートでの調査についても極めて困難な状態にある。 このような状況の中、本研究では、スラム街に居住する知人(スラム街で生まれ育った20代の方3名)を通じて、オンラインでの調査を実施した。学術研究には従事したことがない方々に依頼したため、課題が多い研究結果となったが、調査の継続という観点からは最低限の成果を得ることができた。 少なくとも、来年度以降において、オンラインでの調査により、どの程度のことまで調査が可能であるかについて明らかにすることができており、このことが大きな成果の一つと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究については、未定の部分が多く、新型コロナ・ウィルスの問題が収束するのか、継続するのかで大きく異なる。 新型コロナ・ウィルスの問題が収束した場合は、申請時の計画に近づけた研究を行う(ただし、新型コロナ・ウィルスの問題により2年程度、研究の進捗が遅れるため、大幅な修正を筆お湯とする)。この場合、インドネシアとともにマレーシアでの調査を実施する。調査の内容は、ウェイスト・ピッカーが、どのような有価物を、どの程度収集しているのか、そして、どれだけの収入を得ているのかについてである。調査票等はインドネシアのバンタル・グバンでの調査で作成した物をそのまま用いる。そして、その調査結果に基づいて比較研究を行う。
新型コロナ・ウィルスの問題が収束しなかった場合は、当初の計画を大幅に変え、オンラインでの調査を中心に行う。本研究は、現地調査を基本としているため、新型コロナ・ウィルスの問題の影響は極めて大きいと言わざるを得ない。そのような中でも、過去のデータやこれまでに構築した研究のネットワークを活用しながら、最低限のデータを入手し、それに基づいた研究を行う。
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