研究課題/領域番号 |
19K20532
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
柴山 由理子 東海大学, 文化社会学部, 講師 (40824868)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | フィンランド / 農民政党 / リベラリズム / 社会政策 / 社会民主主義 / サンテリ・アルキオ / 社会民主党 / 北欧 |
研究実績の概要 |
今年度の主要な業績として11月に北ヨーロッパ学会で「フィンランド農民政党の社会政策の理念に関する一考察」を発表し、同内容に修正を加え「北ヨーロッパ研究17巻」に論文「フィンランドの農民政党についての一考察‐サンテリ・アルキオの思想‐」を投稿し受理を投稿し受理された。本研究でフィンランドの農民政党(現中央党)にリベラリズムのルーツがあることを指摘した。 また「世界」4月号(岩波書店、2021年3月8日発売)に「マリン政権はフィンランドの未来を切り開けるか」を寄稿し、フィンランドの社会民主主義および社会民主党の歴史と現在についての論考を行った。 2021年3月12日に東海大学情報通信学部公開セミナー「北欧とイノベーション 北欧を通じて日本の未来を考える」に登壇し、北欧諸国の概要について発表した他、パネルディスカッションのモデレーターを務めた。 2020年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、予定していたフィンランドへの調査を行うことができなかった。一部、Zoom等遠隔での聞き取り調査を行うことができたが、詳しい文献調査や聞き取り調査は行えていない。その他、フィンランドの政党史研究の第一人者ラウリ・ミケルソン(Rauli Mickelsson)と著書の翻訳の可能性についての協議を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
おおむね研究は順調に進んでいるが、フィンランド現地での調査が出来ないことで、資料の収集や聞き取り調査などが十分に行えていない状況である。手元にある資料、古本の取り寄せ、インターネットで入手できる範囲の情報をもとに出来る限り調査を進めている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度と同様、2021年度も①フィンランドの政党政治に関する研究、②フィンランドの政党政治の社会政策への影響、③フィンランドの社会政策の特徴と北欧型 普遍主義の再考、④ポスト工業化社会の社会政策の議論を柱に研究を進めていく。 2021年度は、2019年度および2020年度の研究をふまえ、フィンランドの年金制度および社会保険制度についての研究を行う予定である。 またフィンランドの政党政治に関する書籍の翻訳を始めたいと考えている。現在進行している社会保障改革の動向についても注視する。フィンランドでの調査は新型コロナウィルスの状況を見ながら渡航の可能性を待ちたい。また積極的に他の研究者との研究会や勉強会の機会を創出していきたいと考えている(遠隔も含む)。また国際的な学会への所属や北欧における政治学研究の研究者とのネットワークを構築していきたい。 2022年度は、フィンランドの政党政治と社会政策の関係性、フィンランドの社会政策の特徴、北欧福祉国家の普遍主義の再考に関しての研究を進めていく。フィンランドの政党政治についての研究成果発表を行うとともに、フィンランドの社会政策についての研究成果発表を行いたい。 毎年度、文献調査、訪問調査、学会への参加や発表、紀要への投稿、研究会の開催や参加、翻訳機会の検討を行いながら、研究4年目での包括的な成果報告を目指している。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は国内外とも旅費が全く発生しなかったため、大幅に使用額が減少した。2021年度はフィンランド現地調査の可能性を探りながら、翻訳の下訳等の支出に充てることも検討していく。
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