研究課題/領域番号 |
19K20532
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
柴山 由理子 東海大学, 文化社会学部, 講師 (40824868)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | フィンランド / 政党政治 / 社会政策史 / ポスト工業社会の社会政策 / 選挙 / 年金制度 / 農民政党 / 社会民主主義政党 |
研究実績の概要 |
今年度の主要な業績として8月にウェビナー「公開研究会 シリーズ:福祉国家の創造的進化 フィンランドの深層を探る:政治・社会・経済のいま」で「2021年地方選挙結果分析―ポピュリズムの拡大か?」を、9月に学内のプロジェクト研究研究会で「フィンランド福祉政治に関する一報告」を、11月北ヨーロッパ学会で「ポスト工業社会時代のフィンランド社会政策:1980年代以降の言説の変化に焦点を当てて」を発表、また3月にウェビナー「公開研究会 シリーズ:福祉国家の創造的進化 福祉国家のガバナンスのあり方を問う:フィンランドSOTE改革と初のアルエ選挙」で「2022年1月アルエ選挙の結果分析 ~三大政党の勝利が意味すること~」を報告した。そのほかポスト工業社会・クリエイティブ社会について、スマートシティインスティテュート、京都スマートシティエキスポ2021で招待講演を行った。 「北ヨーロッパ研究18巻」に論文「フィンランドにおける年金議論の政治過程 -1950-60年代の国民年金改革および職業年金制度導入に焦点を当てて-」を投稿し受理された。 2021年度も引き続き新型コロナウイルス感染拡大の影響でフィンランドでの調査を行うことができなかったが、一部、Zoom等遠隔での聞き取り調査を行った。一方詳しい文献調査や聞き取り調査は行えていない。その他、フィンランドの政党研究に関連する文献の翻訳を一部始めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
おおむね研究は順調に進んでいるが、2年以上フィンランド現地での調査が出来ないことで、資料の収集や聞き取り調査などが十分に行えていない状況である。手元にある資料、古本の取り寄せ、インターネットで入手できる範囲の情報をもとに出来る限り調査を進めている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度と同様、2022年度も①フィンランドの政党政治に関する研究、②フィンランドの政党政治の社会政策への影響、③フィンランドの社会政策の特徴と北欧型 普遍主義の再考、④ポスト工業化社会の社会政策の議論を柱に研究を進めていく。 2021年度にフィンランドの年金制度の政治過程についての研究を進めることができたが、医療保険についての研究は未実施となっているため今年度実施予定である。 また少しずつ始めている政党政治に関する書籍の翻訳も引き続き行っていく。最終成果を視野に、これまでの研究を踏まえて北欧型福祉国家におけるフィンランドの特徴を比較政治学の視点から整理していくことも今年度の大きな目標である。フィンランドでの調査は新型コロナウィルスや国際情勢の状況を見ながら渡航の可能性を待ちたい。また積極的に他の研究者との研究会や勉強会の機会を創出していきたいと考えている(遠隔も含む)。また国際的な学会への所属や北欧における政治学研究の研究者とのネットワークを構築していきたい。 今年度で調査・研究が終わらない場合には、研究機関延長を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度も引き続き国内外とも旅費が全く発生しなかったため、大幅に使用額が減少した。2022年度はフィンランド現地調査の可能性を探りながら、翻訳の下訳等の支出に充てることも検討していく。
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