本研究ではドイツ、カナダという2002年以降の主要なアフガニスタン支援国であり、かつアフガニスタン人のみならず多くの「難民」・移民が目指すとされる両国を対象に、そこに居住するアフガニスタン人へ聞き取り調査を行うことで母国を逃れたアフガニスタン人の実態と国内の対応状況が明らかにされた。時として移民の受け入れ国として理想化される両国であるが、日常生活(言語、運転、子どもの教育など)そして就労といった面でアフガニスタン人たちは困難に直面しつつ、しかし安全・安心に暮らせることが最大の価値となっている。それゆえにアフガニスタンの政治・社会的安定こそ根本的に求められる点であることが再確認された。
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