研究課題/領域番号 |
19K20536
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
井上 陽介 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 室長 (80722016)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 経済発展 / 都市化 / 炎症 / 非感染性疾患 / ベトナム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、生活習慣病の増加傾向が顕著であるベトナムにおいて、心血管疾患(CVD)の発症を予測するバイオマーカー(C反応性タンパク質(CRP))の関連要因を探求することである。具体的には、代表者が所属する国立国際医療研究センターとニャチャン・パスツール研究所が、ベトナム・カインホア省の農村部コミュニティにおいて共同で実施しているCVDコホート研究の研究基盤を活用する。当該コホート研究のベースライン調査で、農村部に居住する40~60歳の男女3000名から収集した血液サンプルを利用し、CRP濃度を測定するほか、同調査で収集した質問紙調査データとCRP濃度との関連を検討する。 初年度に引き続き第2年度も、ベースライン調査に参加した対象者から収集した血液サンプルを利用し、ニャチャン・パスツール研究所内の実験室でCRP濃度の測定を行った。これで、初年度と合わせて合計3000名のCRP濃度のデータを得たことになる。また、CRP濃度に関するデータ入力に加えて、CVDコホート研究本体で収集・測定した質問紙調査・生体計測・生化学検査データとあわせたデータベースも作成することができた。 第2年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、主任研究者が現地を訪問することがかなわなくなるなど、当初計画では想定しなかった事態が発生することになったが、初年度の経験を踏まえて、また現地共同研究者らと綿密なオンラインミーティングを繰り返すことで、血液サンプルの収集、CRP濃度の測定、データベースの作成を無事に完了させることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述した通り、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う多少の影響はあったものの、現地の共同研究者らとオンラインで綿密な連携をとることで、おおむね当初の予定通りに研究を遂行することができた。
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今後の研究の推進方策 |
第3年度(最終年度)は、すでに構築したデータベースを活用し、CRP濃度を決定する要因の探求を行う。生活習慣や社会経済的状況だけでなく、ソーシャル・キャピタルや幼少期の逆境体験についても幅広く検討し、学術論文として成果を取りまとめる。
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