本研究は、経済発展によるライフスタイルの急速な変化を経験しているベトナム農村部コミュニティにおいて、30~60歳の住民3000名を対象に、慢性疾患のリスクを上昇させる要因が何であるか、C反応性タンパク質(CRP)を使用して明らかにすることを目的としたものである。解析の結果、年齢や肥満の指標(BMIおよび腹囲身長比[WHtR])と慢性的な炎症状態との間に統計学的有意な関連が認められた。社会経済的状況(教育歴や世帯収入)と慢性的な炎症状態との間にはっきりとした関連は認められなかった。ソーシャル・キャピタルについてはソーシャル・キャピタルが多い群で慢性炎症状態がかえって多いという結果になった。
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