研究課題/領域番号 |
19K20538
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
松嵜 英也 津田塾大学, 学芸学部, 講師 (20780133)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 政治学 / 旧ソ連地域 / 半大統領制 / 未承認国家 / ウクライナ / モルドヴァ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、社会経済的な条件が類似しながらも、異なる半大統領制の設計を採用したウクライナとモルドヴァを比較分析し、地方の未承認国家化が中央の半大統領制の設計の違いに与えた効果を実証的に明らかにすることである。 初年度では、半大統領制の理論的な文献やソ連解体期のウクライナとモルドヴァに関する二次資料を渉猟するとともに、8月にはキエフとキシナウ、ティラスポリで、資料収集を行った。キシナウでは、OSCE・ミッションの関係者や政治家にインタビューし、制度設計や和平交渉における仲介に関して、意見交換をした。また沿ドニエストル共和国において、資料収集を行った。3月には、ウクライナでインタビュー調査や資料収集を行う予定だったが、Covid-19の影響で、渡航を断念せざるを得なかったため、状況に応じて次年度に実施する。 本研究に関連するものとして、2014年のクリミア政変がその後のウクライナの国制に与えた効果を、同志社大学の講演会で報告した。この中間報告では、クリミアのロシア併合と半大統領制の制度配置の変化を分析し、地方の未承認国家が半大統領制の設計に与えた効果に関して、一定の知見を得た。またウクライナ大統領府国家行政アカデミーの雑誌において、地域政党の構造が未承認国家の形成に与えた効果の分析を発表し、ユーラシア研究所の雑誌において、2014年政変後のウクライナの特集号を企画し、ウクライナの連立合意の形成を大統領の介入から分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
夏の調査では一定の成果が見られたものの、春の調査はCovid-19の影響で断念せざるを得なかったこと、研究代表者の勤務地が変わり、当初の予定通りには本研究が進んでいないため。
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今後の研究の推進方策 |
Covid-19の収束の目途が立った場合には、夏と冬にウクライナとモルドヴァに渡航する。収束の目途が立たず、渡航出来ない場合には、公開されているデータを用いて、未承認国家と半大統領制の設計の関係性を明らかにする。また成果報告としては、当初では国際学会において報告する予定だったが、状況に応じて、オンラインでの参加と論文投稿に切り替える方策を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
Covid-19の影響により、本年度の3月の調査を断念せざるを得なくなり、来年度以降に調査を延期したいため。
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