研究課題/領域番号 |
19K20540
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐々木 大輔 東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (30784889)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アチェ / 災害復興 / 媒介機能 / テキストマイニング / 多変量解析 |
研究実績の概要 |
2019年度は,現地(アチェ)での情報収集,事前準備を十分に行った後,災害復興や防災教育の過程において現地の学術研究機関が果たし得る媒介機能について解明するべく,有識者ヒアリング,各種テキストデータを対象としたテキストマイニング分析(文字情報を取り扱う多変量解析の手法)を実施した. 有識者ヒアリングの結果から,2004年のスマトラ島沖地震・インド洋大津波からの復興,及び防災教育の過程において,現地の学術研究機関が地域住民と外部アクターとの間の相互理解・合意形成における媒介機能を十分に発揮できなかったとの仮説を得た.また,テキストマイニング分析の結果からは,各アクター(本研究ではアチェ・ニアス復興再建庁(BRR),アジア開発銀行(ADB),Oxfam Internationalの3者)の取組姿勢には明確な差異があることが明らかになった. これらの研究成果については,2019年11月に国際会議(12th Aceh International Workshop and Expo on Sustainable Tsunami Disaster Recovery)の場で口頭発表を行い,世界に向けて広く発信した.さらに,関連する複数の原著論文について,2019年度中に評価の高い英文学術誌(International Journal of Disaster Risk Reduction誌,Journal of Disaster Research誌.いずれも,Web of Science Core Collection及びScopusに掲載されている)で公刊するに至った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,現地(アチェ)での情報収集・事前準備,有識者ヒアリング,テキストマイニング分析を実施することができた. より発展的な多変量解析の手法である構造方程式モデリングを採用した住民意識調査については,進め方・スケジュール等に関してSyiah Kuala大学の共同研究者と合意したが,昨今の新型コロナウィルス感染拡大に伴い,全体的にスケジュールを後ろ倒しすることとした. 以上を総合的に勘案し,現在までの進捗状況を「おおむね順調に進展している」と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
災害復興や防災教育の過程において現地の学術研究機関が果たし得る地域住民と各アクターとの間の相互理解・合意形成における媒介機能について解明するべく,これまでの研究成果,及び今後実施予定の住民意識調査の結果等を基に,災害復興や防災教育の過程における関係主体間の意識構造・各因子間の因果関係等の明確化,見える化を目指す. 研究成果については,インドネシアで開催予定の国際会議で口頭発表を行い,これまで同様,世界に向けて広く発信するよう努める.
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次年度使用額が生じた理由 |
昨今の新型コロナウィルス感染拡大に伴い,より発展的な多変量解析の手法である構造方程式モデリングを採用した住民意識調査について,全体的にスケジュールを後ろ倒しする(次年度に実施する)こととした.
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