本研究は、地域において連携協働のリーダーシップを担うプライマリ・ケア医を対象に、1. 地域リハビリの熟達化に向けた協働学習プログラムの開発、2. 協働学習での学びが実践共同体の構築に与える影響、を明らかにすることを目的に実施してきた。最終年度となった2021年度は、これまでのフィールド調査等の結果をもとに、教育プログラムに用いる動画を制作した。具体的には、プライマリ・ケア医が行う外来診療・訪問診療のセッティングを想定して診療場面の動画を制作した。一つ目は「よくありそうな診療場面」、二つ目は「患者/家族の生活の視点を重視した診療場面」である。また患者/家族の生活場面に関わることが多い訪問リハビリテーションセラピストの視点を伝えるために、訪問リハビリテーションセラピストへのインタビュー動画を制作した。 今後、プライマリ・ケア医を対象にこれらの動画を用いて教育プログラムを実施していく予定であるが、ただ訪問リハビリテーションセラピストが持つ生活をみる視点を学ぶだけでなく、プライマリ・ケア医としてこれらの視点を自身の診療場面にどのように活かしていくのかを考える上で、診療場面の動画があることは有用であると考えている。またこれまでにアクションリサーチの手法を用いて協働学習プログラムの構築実践のプロセスを調査してきたが、今後これらの動画を用いたプログラムを実践し、その結果を踏まえて本研究の成果をまとめていきたいと考えている。
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