研究課題/領域番号 |
19K20545
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研究機関 | 神田外語大学 |
研究代表者 |
和田 理寛 神田外語大学, 外国語学部, 講師 (70814325)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 上座部仏教 / 東南アジア |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、上座部仏教徒社会における固有の言語や文字を基礎とした「民族宗派」の実態を明らかにすることである。 今年度も引き続きコロナ禍の影響により海外での実地調査を行うことができず、残念ながら調査は計画どおり進まなかった。 一方、本年度は、研究者6名による共著として『東南アジア上座部仏教への招待』を執筆し刊行した。これは7つの国・地域の上座部仏教徒社会をとりあげた概要書であるが、ほかの地域を専門とする研究者との共同執筆作業のなかで、本研究が注目する民族と仏教の関係についても、とくに国や地域ごとの差異と共通性に焦点をあてながら、整理し意見交換することができた。なお同著において、私は上座部仏教徒社会の概要をまとめた第1章、タイ仏教の章、ミャンマー仏教の章などの執筆を担当した。 また、この共同執筆作業の成果の一部として、仏教語彙(比丘、戒壇、持戒日など)の対照表を作成し、上記の共著書に収録することができた。例えば共通のパーリまたはサンスクリット語彙を起源としながらも、カンボジア語、タイ語、ラオ語、徳宏タイ語、ミャンマー語、モン語の6つの言語においてそれぞれ異なる音で発声される様を表にまとめて提示した。概要書のため収録できた語彙は18語にとどまるが、上座部仏教徒社会を対象とした仏教語彙をめぐる現地語の対照表作成はこれまで行われてこなかった新たな試みであり、差異と共通性の双方に目を向けた仏教語彙の比較研究につながる一歩となった。なお、この語彙表は個人の実績ではなく4名の共著者による共同成果である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外での実地調査ができず、新たな資料の入手ができないことにより予定どおり進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後のコロナ・ウイルスの感染状況をみつつ海外調査が可能であればまずはタイでの調査を実施する。もし海外での実地調査が難しい場合は、文献資料とインターネット上の資料を使用し、オンライン等で関係者に調査協力を依頼しながら研究を進める。いずれにせよ当初の計画どおりの研究遂行は困難なため、研究対象地域をしぼるなど、方向性などの修正もしながら柔軟に対応したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた海外での実地調査がコロナ禍により実施できなかったため次年度使用額が発生した。次年度、未使用額の一部は国内外での調査に充てたい。
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