研究課題/領域番号 |
19K20545
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
|
研究機関 | 神田外語大学 |
研究代表者 |
和田 理寛 神田外語大学, 外国語学部, 准教授 (70814325)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 上座部仏教 / 少数民族 / 僧伽 / 宗派 / モン(Mon) / ダウェー / タイ / ミャンマー |
研究成果の概要 |
上座部仏教社会において「民族宗派」ともいえる出家者集団が形成されてきたことを、少数民族モン(Mon)の例から明らかにした。モン僧伽は、誦経の際、文字体系に基づいた独特の発声を伝統的に行っているが、19世紀以降はそれが宗派形成へと展開した。タイでは、タンマユット派内部にモン派があり、近年まで独自の出家式を行っていた。ミャンマーでは、3つのモン派それぞれが自派僧院リストを作成し、民族宗派というまとまりを定期的に視覚化してきた。博論でも言及したこれらの点について、本研究は追加調査を行い、2本の論考として発表した。また雑誌分析から、モン僧は在家民族団体以上に、自言語に強いこだわりをもつことを論じた。
|
自由記述の分野 |
地域研究(タイ、ミャンマー)
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで宗教と民族意識やナショナリズムとの関係は広く議論されてきた。しかし、上座部仏教の内部でも民族(とくに少数民族)ごとに異なる出家者集団が形成されてきたことは、十分に明らかにされてこなかった。そうしたなか本研究は、モンやダウェーの事例から、上座部仏教の僧伽もまた、民族主義や地域主義と密接に関わり合い、独自の宗派を形成してきたことを明らかにできた点で学術的に意義があった。とくにモンの例については出家者が書き言葉の担い手として民族主義を先導している点も再確認できた。また、これまであまりなかった、上座部仏教社会に関する概説書を共著で上梓し、各国各地域の異同を紹介できたのは社会的意義があった。
|