研究課題/領域番号 |
19K20558
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
林 裕 福岡大学, 商学部, 准教授 (40779980)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 文献調査 / ダリー語調査 / 農村 / 地域社会 / 現地調査 / 出版 / アフガニスタン政府関係者 |
研究実績の概要 |
2019年度は、まず現地調査を実施するための準備並びに学会における他の研究者との意見交換を実施した。日本国内におけるアフガニスタン研究者は非常に少ない中、紛争研究や平和構築関連の研究者との意見交換も行った。さらに、現地に入る前の文献調査並びに農村における農民や地域の暮らし、地域社会に関する現地語(ダリー語)のデスクスタディも行っている。同時に、来日したアフガニスタン政府各省の局長級の官僚とも意見交換をする機会を複数回持つことができたのも有意義であった。農村開発や水資源の所管官庁の官僚が福岡において研修を行っていたため、同機会を利用して濃密な意見交換・情報収集を行うことができた。 2019年後半からは、現地調査実施に向けて準備をしていたところ、12月に現地アフガニスタンにおいて邦人NGO関係者が殺害される事件が発生した。駐日アフガニスタン大使とも意見交換を行い、2019年冬から2020年3月までの間の現地調査を見合わせることとなった。そこで、現地に行くことなくできるデスクスタディや文献調査を中心に研究を行った。 また、本研究期間中に執筆した原稿をもとに、2019年12月には共著として『SDGs時代のグローバル開発協力論』(明石書店)より出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2019年12月にNGOのペシャワール会所属の中村哲医師が現地で銃殺される事件が発生し、駐日アフガニスタン大使とも意見交換し、現地調査を見合わせることとなった。そのため、現地調査費として計上していた予算を執行することができなくなった。 他方、デスクスタディを行いつつ、来日したアフガニスタン政府各省の局長級官僚との意見交換や、現地とのインターネットを使った意見交換、情報収集を行った。また、現地で活動しているペシャワール会が福岡に拠点を置いており、福岡大学から非常に近いために、同会とは頻繁に意見交換や情報収集なども行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
2020年中には、現地調査を実施する予定であるが、現在COVID-19によりフライトが止まっているため具体的な予定はまだ確定できていない。他方で、現地に行かずともできる農民生活の調査やダリー語での研究はデスクスタディとして実施している。
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次年度使用額が生じた理由 |
現地アフガニスタンにおける邦人NGO職員の殺害を受け、現地調査を見合わせたために、現地調査費を執行できなかった。COVID-19の感染状況を確認しつつ、2020年度に現地調査をし行う予定である。
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