研究課題/領域番号 |
19K20561
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研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
樋口 ゆかり 京都橘大学, 国際英語学部, 専任講師 (70764934)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | サステイナブルディベロップメント / 認識調査 / 知識マッピング / 知識ニーズ分析 / 地域住民 / 持続可能性 / 自治体と大学のコラボレーション / 研究ベースのエビデンス |
研究実績の概要 |
本研究は、当初、下記の通り、3つのフェーズに分けられていました。 P1:観光地の持続可能な観光開発(Sustainable Tourism Development, STD)の進捗状況を明らかにすることを目指し、「住民の認識と知識レベルを測定するスケール」の開発に取り組む研究。P2:研究結果を地域ステイクホルダーに移転する研究。P3:17の持続可能な開発目標(SDGs)と対象観光地のSTD進捗状況を比較する研究。最終目標: P1からP3を通じて、地域が取り組むべき課題の可視化に寄与し、地域ステイクホルダーと研究者がイノベーションに向けて協働する方法を明らかにする。 コロナ禍が一向に収束しないため、研究対象地域など、幾つかの変更は余儀なくされておりますが、P1からP3を状況に合わせて改定しつつ(持続可能な開発に関して、観光にフォーカスしたものから、地域全体を診るものに移行しつつある)、P3を実施している最中です。 2021年度の具体的な成果としては:①大阪府高槻市、福井県越前市、大分県別府市において、地域コミュニティと自治体が、SDGs到達に向けて、アカデミアとどのように連携しているかをインタビュー調査。②滋賀県立守山高等学校の全生徒を対象に、Education for Sustainable Developmentに関するアンケート調査を実施。③京都橘大学の教員を対象に、大学教員は地域と大学の連携活動に対してどのような認識を持っているのかをアンケート調査。④一般社団法人京都中小企業家同友会の会員を対象に、SDGsおよび大学との連携活動に対してどのような認識を持っているかをアンケート調査。⑤オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ大学の研究者とともに、SDGs到達に向けて、アカデミアはどのように貢献すべきかについて意見交換などが、挙げられます。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、その性質上、本研究者が、京都と北海道間など、複数の地域を行き来し、研究対象者と交流しなければなりません。しかし、2020年はじめから今日までコロナ禍が一向に収束しないため、それが思うようにできず、リサーチフィールドと研究対象との交流が極めて限定されてしまいました。そのため、当初予定していた通りに、研究が進んでおりません。また、海外の協力研究者との交流も滞った状態が続きました。今年に入って、やっと、海外の研究者との意見交換が開始され、洞察を得る機会となりました。しかし、当初予定していた共同で比較研究を実施するステージには至っていません。コロナ禍により、研究活動が制限されただけでなく、研究の内容をも、社会状況に合わせて変更しなければなりません。コロナ化の影響について最近国際学術誌に発表されたこ論文の読み込みにも多くの時間を費やしたことも、研究の遅れにつながっています。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の下の状況によりますが、まずは、京都および京都周辺において、下記の3つのフェーズに分けたケーススタディを完了させ、調査結果を論文にまとめるとともに、対象地域のステイクホルダーとのネットワーキングのさらなる強化を図ります。次いで、北海道の観光地でも同様のケーススタディを実施する予定です。 P1:北海道を含むいくつかの観光地の持続可能な観光開発(Sustainable Tourism Development, STD)の進捗状況を明らかにすることを目指し、「住民の認識と知識レベルを測定するスケール」の開発に取り組む研究。P2:研究結果を地域ステイクホルダーに移転する研究。P3:17の持続可能な開発目標(SDGs)と対象観光地のSTD進捗状況を比較する研究。最終目標: P1からP3を通じて、地域が取り組むべき課題の可視化に寄与し、地域ステイクホルダーと研究者がイノベーションに向けて協働する方法を明らかにする。 上記の日本でのケーススタディで得た調査結果を、海外の研究者とシェアし、海外の観光地でも同じスケールを使用して現地ステイクホルダーの認識を測定することを予定しています。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のせいで、研究活動が著しく制限されたため、研究も遅れ、予定していた費用も持ち越されることになった。今年度は、コロナ禍の状況によるが、可能であれば、研究をスピードアップして進めていきたい。それにともない、研究費も予定通り、使うことになるだろう。
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