研究課題/領域番号 |
19K20568
|
研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
伊藤 央二 和歌山大学, 観光学部, 准教授 (00736861)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | スポーツツーリズム / 観光行動 / 意味深い心理的経験 / 世界遺産 / 熊野古道 / 生理心理学 |
研究実績の概要 |
本研究ではアクティブスポーツツーリズムを通して得られる意味深い心理的経験を,世界遺産でもあり,参詣道でもある熊野古道を対象に明らかにすることを全体の研究目的としている。 初年度となる令和1年度には,本研究のキーワードである「スポーツツーリズム」や「意味深い心理的経験」に関する関連文献のレビューを実施した。また,本研究プロジェクトでは,面接調査や質問紙調査だけではなく,脈拍や唾液といった生理学的な指標も用いるため,生理心理学の文献や調査方法についてレビューを行った。 関連文献のレビューに加え,10月に熊野古道を歩く11名の日本人にインタビュー調査を実施した。また,和歌山県で開催されたねんりんピック紀の国わかやま2019にて,大会ツアーとして熊野古道を歩いたツアー参加者のうち,40名から自由記述形式の質問紙を通してデータを回収することができた。 加えて,12月から3月にかけて,参詣道ではないが熊野古道のようなトレイルを有するブルーマウンテンズ国立公園(オーストラリア),屋久島国立公園,支笏湖洞爺國立公園の視察および資料採集を行った。2月には,ブルーマウンテンズ国立公園で収集したデータを国際学会(SEAMA2020)で発表した。学会発表で得られたフィードバックを基に修正した論文を国際学術雑誌に投稿した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り,関連文献のレビューや熊野古道を歩いた日本人を対象としたインタビュー調査を実施することができた。また,参詣道ではないが熊野古道のようなトレイルを有するブルーマウンテンズ国立公園(オーストラリア),屋久島国立公園,支笏湖洞爺國立公園の視察や資料採集を行うことができた。 年度末に予定していた研究協力者がいるオランダへの出張は新型コロナウイルスの影響のため延期となったが,電子メールやスカイプで連絡を取り合っている。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年度には,関連文献のレビューならびにインタビュー調査・自由記述回答の結果を基に,質問項目を作成予定である。作成した質問項目を用い,学生を対象とした予備調査を実施する予定である。 また,前年度に撮影した熊野古道および屋久島国立公園の動画を基に,令和3年度に予定しているVRを使用した実験調査の準備を進める予定である。 これらの調査実施と並行し,前年度に投稿した論文の修正等を行う。また,関連する国内学会での研究発表や情報収集を行う予定である。なお,5月に研究プロジェクトの一部をThe 16th Canadian Congress on Leisure Researchにて発表予定であったが,新型コロナウイルスの影響のため,学会が中止となった。
|
次年度使用額が生じた理由 |
独立基盤形成支援(試行)が採択され,そちらの財源を優先的に使用したため。また,年度末に予定していたオランダ出張や東京出張が新型コロナウイルスの影響により,キャンセルとなったため。 使用計画として,キャンセルとなったオランダ出張や東京出張を予定している。また,発表予定であったカナダでの国際学会が開催中止となったため,研究協力者のいるカナダ,アルバータ大学への出張も予定している。両出張計画ともコロナウイルスの状況を考慮しながら判断する。
|