研究課題/領域番号 |
19K20568
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
|
研究機関 | 中京大学 (2021-2023) 和歌山大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
伊藤 央二 中京大学, スポーツ科学部, 准教授 (00736861)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | スポーツツーリズム / 観光行動 / 感嘆経験 / 世界遺産 / 巡礼道 / 熊野古道 / ガイド / 生理心理学 |
研究成果の概要 |
世界遺産の参詣道である熊野古道を歩くことで、意味深い心理的経験である感嘆経験を得られるかを明らかにすることを研究目的とした。3つの調査研究から、日常のウォーキングでは感じることが難しい感嘆経験を、熊野古道を歩くことで得られることが認められた。特に、観光パンフレットを通しての熊野古道に対する理解は、VR動画視聴から得られた感嘆経験に影響を及ぼさなかったが、語り部による情報は実際に熊野古道を歩いた際の感嘆経験に影響を与えることが明らかになった。熊野古道を歩くことで得られる感嘆経験を向上させるためには、深い知識を提供する語り部が重要な役割を担うことが示唆された。
|
自由記述の分野 |
観光学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界遺産の参詣道である熊野古道を歩くことやそのVR動画視聴を通して感嘆経験が得られること、観光パンフレットよりも語り部の情報の方が感嘆を喚起できる可能性が高いことを明らかにした点は学術的にも社会的にも有意義であったと考えられる。また、自己報告測定で認められた感嘆経験に対する語り部の影響は、生理心理学的指標である唾液アミラーゼには反映されなかった。自己報告測定と生理心理学的測定の間で対照的な結果が得られたことは、調査設定(実験室、観光地、等)が観光経験に影響を与えることを示唆している。コロナ渦が収束し、インバウンド観光が回復するなか、国内観光分野における感嘆経験のさらなる知見の蓄積が求められる。
|