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2021 年度 実施状況報告書

日比間の在留資格「興行」の成立と運用の解明―入国管理のジェンダー分析に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 19K20580
研究機関神戸大学

研究代表者

大野 聖良  神戸大学, 国際文化学研究科, 特別研究員(RPD) (20725915)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード出入国管理 / エンターテイナー / 興行 / フィリピン / 移住女性
研究実績の概要

本研究は、在留資格「興行」の制度化と規制を取り巻く日比間の複数のアクターの言説に注目し、それらが外国籍移住女性のジェンダーやセクシュアリティをいかに規定しながら、女性たちの来日・就労を形成してきたのかを明らかにすることを目的としている。本年度は主にフィリピンのマスメディアとNGOの言説編成の分析と分析概念に関する文献調査を実施した。
本年度も新型コロナウイルスに伴う渡航制限や図書館などの各種公共施設などの利用制限により、国内外の文書資料調査を新たに実施できなかったため、前年度に実施したフィリピン国内の雑誌・新聞記事におけるエンターテイナーによる移住労働に関する言説分析についての論文投稿の準備や、これまでに収集してきたフィリピンの移住女性支援を行うNGOの機関誌のデータベース化を中心に研究を進め、学会報告にむけて準備している。また、分析概念の精緻化のため、フェミニスト経済学分野で議論されてきたソーシャル・プロビジョニングについての先行研究調査を行い、学会主催の研究会で文献報告として発表した。参加者との討論をつうじて、ソーシャル・プロビジョニングの視点から女性の移住労働や性労働を捉えなおすなど、本研究に繋がる知見を得ることができた。
本年度は、論文・書籍・学会報告といった成果を残すことができなかったが、2021年度8月に開催された国際政治学会大会のジェンダー分科会に討論者として研究成果の一部を報告した。また、3月には一般誌に書評が掲載された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度もこれまでに収集した資料を用いてある程度研究をすすめることができたが、実施予定していた国内外の調査や文献収集が新型コロナウィルスの影響で実施困難となり、新たな資料等を収集することができなかった。また、オンラインや電話、メールなどでのインタビュー調査を実施する予定であったが、先方の事情やインターネット環境により新たな方法を考える必要がでてきた。以上から、現在まで進捗状況は予定よりも遅れている。

今後の研究の推進方策

次年度は可能な限り、オンラインでの資料の閲覧申請や先方の事情に十分配慮したうえで、対面以外での方法での聞き取り調査を検討したい。また、すでに収集した資料を用いて論文等を刊行できるよう努力する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ感染拡大の影響で、本年度も国内外のインタビュー調査や文献収集が困難となり、次年度使用額が生じた。次年度も引き続き収集している資料のデータ化と分析
をすすめつつ、感染状況を慎重に見極めて、調査実施方法を検討して柔軟に研究をすすめていきたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 紹介/浅倉むつ子・戒能民江・田村智子著、政治改革めざすオール早稲田の会編『ジェンダー平等の実現めざして2022

    • 著者名/発表者名
      大野聖良
    • 雑誌名

      歴史評論

      巻: 863 ページ: 105-108

  • [学会発表] 文献報告:ジョアン・C・トロント著、岡野八代訳・著『ケアするのは誰か?――新しい民主主義のかたちへ』2021

    • 著者名/発表者名
      大野聖良
    • 学会等名
      国際ジェンダー学会「開発とジェンダー」分科会
  • [学会発表] 甲斐田きよみ『女性の世帯内意思決定参加を促す開発援助とは何か?――ナイジェリアを事例として』へのコメント2021

    • 著者名/発表者名
      大野聖良
    • 学会等名
      日本国際政治学会2021年度研究大会研究分科会ジェンダー分科会
  • [学会発表] 文献報告:"The Social Provisioning Approach in Feminist Economics: The unfolding research"2021

    • 著者名/発表者名
      大野聖良
    • 学会等名
      国際ジェンダー学会「開発とジェンダー」分科会

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公開日: 2022-12-28  

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